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米Facebookは、バルセロナで開催中の世界最大級のモバイル見本市Mobile World CongressでKDDI、ソフトバンク・モバイルを含む世界の携帯電話事業者9社と提携し、スマートフォンアプリの購入料金を携帯電話料金に上乗せして支払えるようにしたと発表した。
発表文によると、提携したのは次の9社。AT&T, Deutsche Telekom, Orange, Telefónica, T-Mobile USA, Verizon, Vodafone, KDDI, SOFTBANK MOBILE Corp.
NTTドコモは含まれていない。
また携帯電話上のブラウザの技術仕様の標準化をデバイスメーカー、通信事業者ら約30社とともに進めていくと発表した。また標準機能の搭載状況をテストするツールRingmarkを開発し、公開した。
今、スマートフォンの覇権争いの最有力候補と見られているのが、iPhoneを持つAppleと、AndroidOSの開発元であるGoogleの2社。この2社が最強と見られているのは、AppStoreとAndroidマーケットというアプリ販売のプラットフォームが好循環に入っているから。つまり数多くのアプリの存在を理由にユーザーが増え、ユーザーが増えるので開発者がさらに多くのアプリを開発する、という好循環だ。好循環に入ったプラットフォームの牙城を後発が崩すのは並大抵のことではない。
ではもともと開発者はアプリ販売プラットフォームに何を求めるのかというと、集客の仕組みと決済システムの2つ。アプリを開発してもユーザーの目に触れなければ売れないし、決済の仕方が煩雑だとユーザーはめんどくさがってアプリを買ってくれないから。
集客の部分は、Facebookのアプリ上に友達が使っているアプリを表示させることで対応している。これは昨年秋に発表済。
無数のアプリが登録されランキング上位に入ることが困難になりつつあるiPhoneやAndroid端末のアプリ販売プラットフォームに比べ、無名のアプリでもおもしろいものであれば友人のつながりを通じて広がる可能性がある。物さえ良ければiPhone、Androidよりも集客が簡単かもしれない。
Facebookはさらに、今回の発表で決済の部分を大手キャリアと提携することでシンプルなものにした。これが今回の発表の1つ目の目玉。
アプリ自体は業界標準のHTML5を推進。その標準化を進めるためにRingmarkというテストツールまで提供した、というのが今回の発表の2つ目の目玉だ。
アプリ開発者がプラットフォームに期待する集客と決済にこれで対応。しかもApple、Googleのプラットフォームに縛られることのないようにHTML5という標準技術を推進している、ということになる。
iPhone、Androidに次ぐ第3のプラットフォームの地位を獲るために着々と前進しているわけだ。
そしていずれそう遠くない未来にFacebookフォンを投入してくるのだろうと思う。モバイルは3強時代に突入しようとしている。
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