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米サンフランシスコで開催中の業界イベントに登壇したFacebookのCEO Mark Zuckerberg氏は、Facebookのモバイルアプリに言及、開発言語HTML5で開発しようとしたことは「会社として過去2,3年で最大の戦略ミスだった」と語った。
デバイス向けに1から開発するネイティブアプリと異なり、HTML5で開発することで異なるデバイス向けにプログラムを転用できるメリットがある。HTML5でもかなり多くの機能を実装できるようになったことからFacebookでは、HTML5でアプリを開発することに決め、数ヶ月の開発期間を投入。だが完成したアプリは動作が遅く使い物にならないレベルで「とても満足のいくクオリティではなかった」(同氏)という。
そこでiOS向けにネイティブアプリを1から作り直すことにしたという。Android向けアプリも現在開発が進められている。同氏は「HTML5がだめだと言っているわけじゃない。長期的にはHTML5はとてもエキサイティングだと思う」と語った。
サンフランシスコで開催中のスタートアップイベント「TechCrunch Disrupt」で、TechCrunchの創業者Michael Arrington氏との対談の中で語った。
時代はFacebookの次の覇権争いに移行した、というのが僕の最近の主張だけど、FacebookがiOS向けに新しいモバイルアプリをネイティブで作ってきたときには正直びびった。非常にサクサク動く。やはりFacebookの開発力を無視できないなと思った。
もちろん時代はPCベースからスマホベースに移行し、前の時代の覇者は次の時代には簡単に移行できない、という思いは変わらない。新しい時代に圧倒的に有利なのはLINEやWeChatのようなスマホネイティブのアプリだ、とはまだ思うけどね。でも恐るべしFacebook。
FacebookはHTML5に全面移行し、ネイティブアプリを開発しないことで、AppleのAppStoreやGoogleのGoogle Playといったアプリマーケットを回避できると考えていた。この考えとそれに基づく計画は「プロジェクトスパルタン」と呼ばれ、TechCrunchなどの米国メディアを中心に打倒Apple戦略とみなされていた。結局プロジェクトスパルタンは時期尚早という判断になったということなんだろう。
HTML5およびその周辺の技術はまだ策定途中の段階でグレーだったり不安定な部分も多い。それでも採用することの意義はあったのだと思うけど、シリコンバレー地域ではJavaScriptが牽引する形でHTML5も依然としてバズワードになっている中でのこの発言は大きな影響を与えると思う。
2011年のソーシャルゲームはウェブベースが主役だったがハイクエを含めネイティブの波が急激に押し寄せている。ただ、まだこれだという応えは出ていない状態。先日のアドビ太田氏の講演でその辺に触れられていたが、同氏の言う通り、「この2~3年は、さまざまな技術やプラットフォームを選択していくしかない」というのが本当のところなのかもしれない。