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Leap Motion は本当に革新的なUIデバイスなのか? 本体レビューとその雑感【@maskin】


[読了時間: 2分]

 次世代ユーザーインターフェイス(UI)として注目を浴びているUSB接続のデバイス「Leap Motion」。

 すでに端末の発送は開始されていたが、遂に2013年7月23日、設定用ソフトウェアの配布が開始され使用できるようになった。

 早速テストしてみたので、所感をお伝えしたい。



 画面は、設定用アプリケーションを使用しているところ。「Leap Motion」のコントローラーは下の方にある、グリーンのランプが点灯しているマッチ箱くらいの銀色のデバイス。

 USBで接続して、ポンとディスプレイの前に置いただけなのに、掲げた手の平がリアルタイムで認識されるのには衝撃を感じざるを得ない。

 2人対戦のサンプルアプリなども用意されており、一人用のコントロールデバイスを超えた使い方も考えられそうだ。

 気になる精度だが、指一本一本が認識され、人差し指でドローイングをすることも可能。

 とはいえ、空中で手書きで文章を書くような繊細さはない。「自分の思考のおもむくまま、細かい表現もキャッチしてくれる」という夢を描いている人もいると思うが、少なくとも設定用アプリではそのレベルには到達していないのだ。

 ただ、がっかりする必要はない。

 こうしたデモ動画を見る限り、LeapMotionの可能性はアプリ次第と言えるからだ。


新領域、ただしアプリ次第

Leap Motionには、マーケットプレース「AirSpace」が用意されている。すでに無料から有料まで複数のアプリが入手可能になっている。

 多くはゲームだが、セキュリティロックを解除するアプリだとか、NewYorkTimesを手でめくるアプリもある。

 最も得意なのは3Dモデルを使用したもののようにも思う。Google Earthなどをフリーハンドで操作できるだけでなく、細かい部分まで操作できるのは快適だ。



競合は据置き型

 いくつかのアプリを使用してみて感じたのは、普通のデスクトップ作業中に「Leap Motion」を併用するのは難しいということだ。

 アプリはフルスクリーンがメインだが、ウィンドウ表示もできるので物理的には併用できなくもない。ただ、マウスやトラックパッドのような精密さがあるわけではないので、どちらかといえばフルスクリーンでデバイスに最適化されたコンテンツを楽しむという使い方がフィットすると言わざるを得ないのだ。Leap Motion専用端末が欲しくなるのである。

 と、考えるとマイクロソフトのKinnectが浮かんでくる。コンテンツもゲームが主ということからすると、これは完全に同じ領域の技術であり、競合と見てもよさそうなのだ。Leap MotionはPC向けだけがリリースされていて、欧米のPCゲームユーザーにはある程度評価されるかもしれないが、専用機向けデバイスであるKinect若干非があるかもしれない。

 しかも、次期Kinectは精度が格段に向上し、部屋中の動きをスキャンでき、手の平もスキャンできるようになる (脅威のリアルタイム3Dスキャンが実現、手のひら操作もできる「Kinect for Windows SDK1.7」が3/18に登場 【増田 @maskin】)のだ。

 Leap Motionの使用感が革新的なのは間違いない。しかし、マーケッティングを間違えると、その革新性が失なわれる可能性もある。今後どうなるか、注目したい。


【関連URL】
・Leap Motion
https://www.leapmotion.com/
・PCを空間で操作? 画期的な入力デバイス「LEAP」【増田 @maskin】
http://techwave.jp/archives/51746217.html
・「MYO」 究極のウェアラブル・コントローラー、投資陣にPaul Grahamの名も  【増田 @maskin】
http://techwave.jp/archives/myo-incredible-wearable-device.html


蛇足:僕はこう思ったッス
アプリ次第。より多くの人がこの技術に触れるべきだと思うし、これを使ったアプリを考えまくるべきだと思う。もしかすると「PCは嫌」という人にフィットする新しいコンピューティング形態を確立することができるのかもしれない。
LeapMotionがPCやタブレットに組み込まれたらどうなるか? 結構おもしろいことがおこると思う。どうか圧倒的なパワーでこの領域にブレークスルーを起こして欲しいと思う。
著者プロフィール:TechWave 編集長・イマジニア 増田(maskin)真樹
変化し続ける高エネルギー生命体。8才でプログラマ、12才で起業。18才でライター。道具としてのIT/ネットを追求し、日米のIT/ネットをあれこれ見つつ、生み伝えることを生業として今ここに。1990年代はソフト/ハード開発&マーケティング→週刊アスキーなどほとんど全てのIT関連媒体で雑誌ライターとして疾走後、シリコンバレーで証券情報サービスベンチャーの起業に参画。帰国後、ブログCMSやSNSの啓蒙。ネットエイジ等のベンチャーや大企業内のスタートアップなど多数のプロジェクトに関与。坂本龍一氏などが参加するプロジェクトのブログ立ち上げなどを主導。 Rick Smolanの24hours in CyberSpaceの数少ない日本人被写体として現MITメディアラボ所長 伊藤穣一氏らと出演。活動タグは創出・スタートアップマーケティング・音楽・子ども・グローカル・共感 (現在、書籍「共感資本主義」「リーンスタートアップ」執筆中)。@宇都宮ー地方から全国、世界へを体現中。
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