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休日の海浜公園。これからライブが始まるというのにお腹がペコペコで倒れそう。レストランは満席で入れそうにもない。さらに雨が降り出ってきた。カッパも傘も持ってない、買い物に出たら開始までに戻れない、どうしよう・・・・そんな状況にこんなドローンが飛んできて必要な商品を配達してくれないかな?・・・そんな夢物語も実は意外と近く実現可能になりそうだ。
楽天は、実はドローン配達事業を「そら楽」という名前で2016年4月からサービスを展開している。5月9日には特定のゴルフ上にいるプレイヤーに対し期間限定の配達サービスを実施。購入できるアイテムは限られているほか、ゴルフ場内で発送から受け取りまでをやる。あくまで実験的なサービスだが、利用者がアプリを通じて商品を購入しドローンで配送してくれるという形はすでに成立していた。
この先には既存の配送網に組み込まれる形でちゃんと手元まで商品を届けてくれる本当の「楽天ドローン配送」が想定されている。そんなドローン計画の気になる部分に大きな動きがあった。
楽天配送センターから15キロ先へ配達
楽天のドローンプロジェクトが目指すのが、千葉県の配送拠点「楽天フルフィルメントセンター」から約15Km離れ他場所にある幕張新都心の住宅街への配達だ。一定の重さまでの荷物を自律的に航行できるドローンで配送するというもの。気象条件に厳しいドローンの航行をどうするか? 落下した場合の対策は? 電波混線などさまざまな問題を、千葉市ドローン宅配等分科会の取り組みと協調しながらクリアにしようとしているというのが今の状況だ。
これら一連のドローン配送構想が現実的に機能するか? 楽天とドローン開発の自律制御システム研究所(ACSL)、そしてNTTドコモは2016年10月に、長距離配送を想定した実証実験を行った。目標の想定ルートと比較するとフライト距離は700mと短いものの、NTTドコモのLTE網を使用する点、海上を航行する点や、コントロールを東京世田谷区にある楽天本社で行うなど現実に近い設定で実施されたのが特徴だ。
テストでは、ユーザーが “総重量” を計算してくれるドローン配送用アプリで商品を選択し、ドローンが離着陸まで自律的に航行する一連のプロセスを確認するというのが大きな目的だ。
ドローンはLTE網に接続され(これをNTTドコモは「セルラードローン」として商標を登録している)、その動きは世田谷の楽天本社で監視される。以下はドローン配送「そら楽」用ダッシュボードの画面だ。
今回のテスト向けに新しい長距離用の機体を採用(冒頭写真)。海上なども運行するため防滴構造になっているほか、故障などによる落下時にパラシュートを実装しているという。
実験では、LTE通信に影響のあるノイズの問題、気象状況の観測なども実施し、将来的に第三者が保有する地域上空を安全に航行できるようにする考え。
【関連URL】
・楽天ドローン「そら楽」
https://soraraku.rakuten.co.jp
操縦者がいるのはドローンというよりはクアッドコプター。ここでいうドローンというのは無人かつ自律的に航行できるものを指している。自動車の自動運転しかり、人間の操縦よりも事故率が低いより安全で効率的かつイノベーティブ(これまでできなかったことを実現するという意味で)な配送方法をやろうというのがこの取り組みだ。焦点となるのは安全性に尽きる。今回の取り組みは国家戦略や千葉市の取り組みに同調するという意味で、実現に向け前向きな流れにあると思うが、大切なのは安全性を高めるハードウェア、運行・運用ルール、そしてソフトウェア&サービスだと思う。今まで考えたこともないような可能性を把握し、あらかじめ対処するという、新たなサービス作りの領域にあるようでワクワクする。
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