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日本のウェブの未来を担うような可能性のある「サービス」や「端末」を支援するイベントWISH 2010が開催され、15組のプレゼンターによるプレゼンテーション大会が行われた。審査員と会場、ustream視聴者の投票を受けて優勝したのはブクログのパブー、僕の個人的な見解で選ばせてもらったTechWave賞はTogetterになった。
表彰の際にも言ったが、審査員の間では「Togetterはもう既に成功しているという段階にあるサービスだから、今さら賞をあげることもないんじゃないか」と言う意見も出た。WISH2010の目的が「日本のウェブの未来を担うような可能性のあるサービスや端末を支援する」であるというのなら、確かにTogetterはもうWISHが支援しなくても成功への道を歩み出しているように思う。
Twitnovelsとの間で結構悩んだんだけど、それでも最終的にTogetterを選んだのは、僕自身が大好きなサービスだから。Togetterのようなサービスをずっと待ち望んでいたからだ。
Twitterこそが新しいメディアの1つの形になると思い、Twitterをどうメディアにしていけばいいのかを思い悩んでいたときにTogetterが登場した。これだ!と思った。早速TechWaveの一部エントリーの中で使わせてもらっているし、これからもTogetterをフル活用させていただきたいと思っている。ブログとTwitterの融合の形を模索し続けたいと思っている。世界でも例をみないサービスなんで、ぜひ世界展開も考えてもらいたいとも思う。
さてほかのサービスについては、受賞しなかったからだめだというわけではない、ということを強調したい。今回のWISHには非常にすばらしいサービスが幾つも登場した。ただTogetter同様にもう既に成功の域に達しているか、既に上昇気流に乗ったのであとは自然と成功への道を進むであろうと思われるサービスが多かった。なのでそれらのサービスは、あえて除外させていただいた。受賞しなかったプレゼンターのみなさん、そういうことでみなさんのサービスが決して否定されたわけではないということをご理解ください。
例えばライフパレット、カーリル、AQUSH、食べレコ、カクー、ロケタッチなどのサービスは、TechWaveでも過去に取り上げたことがあるか、それか既にユーザーがついているすばらしいサービスなので、あえてWISHを通じて支援する必要もないように思えた。
個人的にあまり知らかったサービス、WISH2010で始めて知ったサービスで面白そうなものには、みんなで創る参加型オンラインショップ「オリヒメ」、ガラポンTV、ソーシャル翻訳コニャック、デコもじ、Twitter 解析ツール「TwiTraq」がある。これらのサービスについては、今後調べて記事にしていきたいと思う。
中でも僕が非常に気になったのが、ソーシャル小説サービスのtwitnovels。Twitterアカウントを使って他のユーザーとのコラボレーションで小説を書けるというサービスだ。単なるリレー小説ではなく、幾つものパターンの小説を同時並行的に書き進めることができるという非常にユニークなサービスだ。
このサービス、ぜんぜん普及しないかもしれないけど、ひょっとすると大化けするかもしれない。こういう言い方をすると身も蓋もないように聞こえるかもしれない。でもTwitterだって、最初はそんな感じのサービスだった。実はそういうサービスにこそチャンスがあるのだと思っている。だれの目から見ても成功しそうなサービスというのは案外成功しないし、ちょっと成功すると大手が参入してきてあっと言う間にシェアを奪われてしまうからだ。一見よく分からないサービスこそ、実は注目すべきサービスだと思っている。
twitnovelsのサイトを見ると、中には性的な描写の小説もあるようだ。表現の自由は確保したいものの、こうした性的表現をどう扱っていくのかということも重要になってくるのだと思う。世界展開も当然、狙っていくのだろうが、その際にもいろいろと課題が出てくるかもしれない。それらの課題を乗り越えて、世界中の人々にとっての新しい表現のツールに育てていただきたいと思う。期待しています。