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NHN JapanのLINEカンファレンスを見て個人的な感想というか、つらつら考えていたことを幾つか。
いよいよ本当の「ソーシャル時代」到来
ソーシャルの時代といわれて久しいけれど、これまでのソーシャルって単にソーシャルの「練習」をしていただけのことなんだなと思う。
これまで「ソーシャルメディアがマスメディアを超える」とか言われてきたけど、全然そんなことなかった。マスメディアの力ってやっぱりすごかった。マスメディアの力が弱くなってきたといっても、広告主企業にとってマスメディア向け広告予算とソーシャルメディア向けの広告マーケティング予算って、桁がまったく違った。でもそれはある意味正しい判断だと思う。ソーシャルメディアの力って、まだまだたいしたレベルに達していないんだと思う。
でもそれはソーシャルメディアの普及率が低いから。ソーシャルメディアの本当の力が発揮できるほどソーシャルメディアってこれまでマスにまで普及していなかっただけなんだと思う。
だってFacebookにしたって、メインのユーザーはアーリーアダプター。Twitterはもう少しユーザー層が幅広いのかもしれないけれど、それでも40代以下の男性ネットユーザーや若い女性が中心。おじんちゃん、おばあちゃんで使っている人を見たことがない。
LINEはうちのばあちゃんが孫たちとのやりとりに実際に使っている。
ユーザー数で見れば、LINEも、Facebookも、Twitterも現時点では同じようなものなのかも知んないけど、今後のユーザー数の伸びの可能性が全然違う。LINEは今回KDDIとも提携したし、ドコモとも提携したいといういうことなんで、まだまだ伸びると思う。
いまでもスマホユーザーの44%がLINEユーザーらしいけど、これがスマホ普及率が9割以上になり(いずれ絶対そうなるだろうし)、スマホユーザーの中のLINEユーザーの割合が6割ぐらいになれば、日本にLINEというソーシャルインフラが誕生することになる。
このソーシャルインフラが確立して初めて、今まで「ソーシャル時代になれば社会はこう変わる」と予測されていたことが、次々と実現していくのだと思う。情報の流れが変わり、広告、マーケティングが変わるんだと思う。
あともう1つ思ったのは普及率で見れば、米国におけるFacebookの普及率を、日本におけるLINEの普及率が超えるんじゃないか、ってこと。だってFacebookはまだまだPCベースだけど、LINEはスマホネイティブ。絶対スマホネイティブのほうが有利。そう考えると、ひょっとすると日本って世界一のソーシャル大国になるんじゃないか。社会が大きく変わるような予感が・・・。
リアルグラフ上のゲームってどうよ
ソーシャルグラフ(人間関係データ)にはリアルソーシャルグラフ(実際の友人関係)とバーチャルソーシャルグラフ(相手がどこのだれか分からないネット上だけでの人間関係)があって、ネットが社会に普及するにしたがって核となるのはリアルソーシャルグラフである、というLINEの考え方は正しいと思う。LINEがここまで普及したのは、ある意味その読みが正しかったということなんだろうと思う。
コミュニケーションとかマーケティングとか物販とかは、確かにリアルグラフを持っているプラットフォームが強いんだと思うけど、でもゲームってどうなんだろう。
DeNAは、ソーシャルゲームはバーチャルソーシャルグラフのほうがうまくいく、と主張している。以前読んだIR資料にそう書いてあった。
だって自分の本当に仲のいい友だちの中にゲーム好きって何人いるかってこと。農場系のほのぼのゲームなら、それほどゲームが好きじゃない友達とコミュニケーションの1つの形としてプレーできるけど、本格的なゲームになると、ゲーム好きを自分の人間関係の中で見つけるのって結構難しいぞ。
もしゲームをしたいばかりにあまり仲のよくない人までも「友達」にしてしまえば、LINEが持つリアルグラフが崩れてしまい、広告、マーケティング、物販が機能しなくなる可能性がある。
さあNHN Japanはこれをどう解決するのだろう。
でたー Weixinへの宣戦布告
「この下半期、アメリカ、そして中国にも展開を進めます」ー。
個人的には、これに一番シビれた。Facebookの次の覇者はLINEとWeixinの2強、とこれまで主張してきたけど、実際にはWeixinのほうがユーザー数は倍以上あるので優勢。ひょっとしてLINEってWeixinに買収されちゃうんじゃないか。どう戦っていくんだろうって思っていた。
いずれ正面衝突が避けられないのなら劣勢のほうから仕掛けなければ勝ち目がないのに、LINEどうすんだ。って、ちょっと心配していた。
LINEはこれまでWeixinのシェアが低い中東や東アジアに力を入れてきたんだけど、今回いよいよWeixinのホームグラウンドである中国本土に力を入れていくことを表明したわけだ。
男前!
ちょうど7/5から深圳(シンセンshēnzhèn)出張し、Weixinを運営する腾讯(Tencent テンシュン téngxùn)を取材する予定なんで、彼らの世界戦略のことを聞いてこようと思う。中国出張から戻ったらまた記事書きます。お楽しみに。