全国各地域の人材獲得に革命を起こすクラウドエージェント、運営のグルーヴスが地銀などから2億円調達

Japan

地方の経済、想像以上の勢いで変容を続けています。銀行を中心に創業及び新規事業開始のための融資や投資の体制が整いつつあるというのが現状です。その一方で、問題が表面化しているのは人材です。都心では獲得できない専門家が地方で活躍しているのは事実ですが、地域を超えて獲得するのが非常に困難になっているのです。

そこで、grooves(グルーヴス)が10年以上ブラッシュアップを続けてきたサービス「クラウドエージェント」に注目が集まっています。全国の人材エージェントや人材紹介会社(有料職業紹介事業者)、1万9084事業者(2017年1月現在)に求人を依頼できるサービスです。例えば、地方の企業が、IターンやUターン人材を募集することが可能です。

今回グルーヴスは、現日本政府が掲げる成長戦略「日本再興戦略-JAPAN is BACK」の日本産業再興プランおよび転職人口の拡大の流れに乗る形で、地銀資本のVC広島ベンチャーキャピタルおよび大分ベンチャーキャピタルとの資金調達および事業連携を発表。広島や大分の企業に人材採用支援事業を展開します。「クラウドエージェント」はそもそも全国向けのサービスとして展開していますが、各地域それぞれの動きを深く連携していくという流れを加速していくというのです。

また、今回テックウェーブのステークホルダーでもあるヒトメディア、およびヒトメディアと日本たばこ産業との合弁会社であるヒトトキインキュベーターインスパイアより総額2億円の調達を行っています。

地方創生の現在

地方創生に関する国が計上する予算は補助金1000億円を含むと総額3兆円に近くなっています(参考:内閣府「平成29年度 地方創生関連予算等について」)。補助金などは高度経済成長期がそうであったようにバラマキ型として批判する声も多く、実際に補助金目当ての中身の無い事業がいくつも立ち上がっている状況ですが、これまでとの大きな違いは地銀および地域の企業が “各地域の経済を立て直すことが必須” という共通課題の上、腰をあげているということです。

まだまだ、転職もスタートアップとしての動きも地方では立ち上がっておらず人材の流動性がありません。一方で地方の野心家や 革新的技術を持つ企業は、都心や政府に依存せず、直接、全国世界と戦っているケースも目立ちます。このいびつな構造を解決するのは、地域を超えて人材を獲得できるクロスボーダーな仕組みと、そういった流れに着目した投資家および支援者の存在です。今回の増資および提携スキームは、日本全国に横たわる大きな課題を解決し、各地域の産業ひいては経済を活性化させる可能性があるのです。

「例えば、広島に本社がある一部上場企業にはフマキラーやマツダ、カルビー、オタフクソースなどがあります。しかしながら、各地方から他の地域に人材を獲得するというスキームがありませんでした。これまでは求職者が求人を検索する時点で、「地方への転職」という選択肢が排除されてきていたんです」(グルーヴス 池見幸浩社長)。

クラウドエージェントには、全国各地域の独立系人材エージェント約450社1000人のキャリアコンサルタントが登録されており、企業はサイト上から求人依頼をかけることが可能。「いちごの生産から輸出まで展開するプロデューサーを全国から集めたい」「自動車の組み込みOS開発者を、全国各地域から集める」といった、都心では成立しない人材募集を、全国の各地域を横断する形で仕掛けることができるのです。

【関連URL】
・クラウドエージェント
http://www.crowd-agent.com
・株式会社grooves
https://www.grooves.com/

蛇足:僕はこう思ったッス
maskin-bit-2016 かつて高度経済成長期はさまざまな予算を使った地方振興の動きが並行して行われていました。全国展開する大企業のスキームで行われるものも含めると、相当な規模のプロジュエクトが地方で動いていたと思われます。しかしながら、そのスキームに地域が関わることはあまりありませんでした。全ては都心からの持ち込みで、プロジェクトが終わると人もカネも消えていきました。現在も地方都市は一方的に刈り取られることを強く警戒しています。この文脈の中で大切なのは、各地域の人材と企業・産業が成長し経済が活性化することです。とはいえ、何か大きなことを成し遂げようとすると、それらの条件が整うことはこれまでありませんでした。グルーヴスと各社の取り組みは、各地域に力を注ぐことになるのではないか?と期待しています。TechWaveはそうした小さな力ある存在に光をあてて行きたい。そう思います。

なお、池見さんのインタビューは、地方(栃木県宇都宮市)にいる私の個人事務所を結んで行われました。

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Editor In Chief at TechWave.jp
1990年代初頭からソフトからハードまで50以上のスタートアップ立ち上げを国内外で経験。平行して雑誌ライターとして疾走。シリコンバレーでガレージベンチャーに参画後は、国内でネットエイジを筆頭にスタートアップに多数関与。ブログやSNSの国内啓蒙、ソニーの社内イノベーション事業など関与。通信キャリアのニュースポータルの立ち上げ期の編集デスクとして数億PV事業に育てた後、TechWaveにジョイン。世界最大のグローバルIT系メディアであるスペインの「Softonic」の元日本編集長
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