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シリコンバレーと日本に拠点があるWiLとソニーが合弁で設立した会社「Qrio(キュリオ)」の第一号プロダクト「Qrio SmartLock」のファーストインプレッションレビューを執筆しましたが(「キュリオ「Qrio SmartLock」 実機レビュー 【@maskin】」)、いくつかの誤解がありました。
試行錯誤の末、筆者宅に設置、鍵を家族と共有することができたのでここに報告させていただきます。
いくつかの誤解
実は、購入したのはいいけど、使用をあきらめていました。その理由は3つ。
- うちの鍵には設置できない?
- 2つの鍵が操作できない?
- BlueTooth接続に問題がある?
といったところです。
いずれも、筆者にとっては誤解だったと言わざるを得ません。なので一つ一つ説明させていただきます。
それともう一つ、電池は2セット(4本)設置できるのに1セット(2本)しか入ってないといった記載をしましたが、色見が違う電池がもう1セット箱の中に入っていたことを付け加えさせていただきます。
1.うちの鍵には設置できない?
ファーストインプレッション記事で「個人的に最も困ったのは、鍵が二箇所あるところw。 一人暮らしならともかく、家族を説得するのは無理っぽいです」といったことを執筆しました。それに加えて、鍵のサイズがあわなくてうまく調整できなかったんです。
つまりこういうことでした。
キュリオの機構部に鍵のノッチをうまくフィットさせなければいけないのですが、着けようとするとキュリオ本体とドアに大きな隙間があいてしまうんです。アジャスターをつけても、高さが微妙にあわないという状況です。
なぜ、こういった事態に陥ったかというと、アプリを起動する前に、設置を急ごうとしたからです。前回の記事にも書きましたが、キュリオには紙のマニュアルが付いていません。設置についての説明は、アプリを起動して初めて受けられるようになっていたんです。
アプリダウンロードから初める必要あり
キュリオを開封して初めにやること。それはアプリのダウンロード、そしてアプリからユーザー登録をするということでした。
以下がユーザー登録後の手順です。かなり詳細に設置方法が書かれています。先を急ぐと筆者のように迷うことでしょう。
ここで注目してもらいたいのは「サムターンホルダーの高さを調整」という画面です。
どういうことかというと、付け根の部分にプラスネジがあり、それを緩めることで高さの調整が可能だったのです。
これで「高さがあわず設置できない問題」はクリアになりました。
2. 2つの鍵が操作できない?
ただ、筆者宅はサムターンが2つあり、そもそも「2個同時は無理」という思い込みがありました。
そんなことをFacebookでシェアしてみると、オーナー仲間のみなさんが助けてくれまして「2台同時に操作できる」ということが判明(みなさんありがとうございます)。
実際アプリを起動してみると・・・・
「2つを同時に操作」ありました。オートロックなんかもあるんですね。
もう一台購入するという出費が必要ではありますが、それを差し引いても価値があるように思いました。
3. BlueTooth接続に問題がある?
もう一つ懸念が「こうした製品はBluetoothによる通信を行いますが、デバイスの干渉も心配です。イベントなどで数台が同時に使用するだけでまったく動作しないということはよくある話で、何らかの条件が重なったら動作しないということも考えられそうです」というところです。
そんな中、「Bluetoothの干渉についてですが、先日のMaker;Faire(2015年8月1日から2日開催)のようなBLE製品、デバイスが数千台以上集まるイベントでも、問題なく稼働していました。」と教えてくれたのは、キュリオ株式会社 営業企画部 マネージャーの佐藤竜斗 氏。
「Qrio Smart Lock」は、ハードウェアはソニー側のリソースが投入されているとのこともあり、やはり色々な角度から考えつくされているということなのでしょうか。
実際のところ、BlueToothデバイスが5台とかペアリング状態の筆者宅では、使用し始めてから時々認識できないことがありました。ただ、家族のスマホからは問題なかったりしたので、「Qrio Smart Lock」の問題ではなくスマホが不安定になっているということが問題ということが判明しています。
こうなると、悩むところがなくなってきました。
家族と電子の鍵を共有するということ
ちゃんと動作するようになったということで、さあ、本格利用にむけ前に進んでみましょう。おそるおそる家族に「設置してもいいかなー?」という交渉をスタートしはじめました。何しろデカイ物体が装着されるわけですし、邪魔とか不安とか思うのではないかと懸念していました。
ただ、話をしてみると「これまで通り手で開け閉めできるなら」という点と、ドアから遠い部屋で開閉できるのは便利ということでオーケー。やはり複数の家族がいる家庭ならこの辺が一番の問題になるでしょう。得に二階から一階のドアを開け閉めしたいというニーズを解消したり、装着するだけでオートロック化できるという点は大きな交渉材料となります。
「Qrio Smart Lock」は鍵の権利の共有というところが大きなイノベーションになるわけですが、これはまだイメージすることができません。実験的な試みはできるでしょうが、一般家庭でどうワークするのか、今後も継続的にウォッチしてみたいと思います。
Amazon.co.jpでは9月7日から出荷開始。
【関連URL】
・キュリオ「Qrio SmartLock」 実機レビュー 【@maskin】
http://techwave.jp/archives/qrio-smartlock-1st-review.html
・Qrio Smart Lock(キュリオスマートロック)製品情報 | Qrio製品情報
http://qrio.me/smartlock/
・WiLとソニーがIoT合弁会社「Qrio(キュリオ)」設立、大企業オープンイノベーションの旗手となるか
http://techwave.jp/archives/wil-and-sony-are-founding_qrio.html
というわけで、「Qrio Smart Lock」を使い始めてみました。僕のうちは2つのサムターンがあるので、もう一台をはやく入手しないとですね。実際、使用してみて最終的な課題となったのは、家族用の鍵を作成して共有するというプロセスでした。説明ははぶきますが「鍵」の概念がわかりにくく、今もこれでいいか(家族用鍵を作成して家族をメンバーとして招待)確信が持てていません。今後中長期的に使用してレビューしたいと思います。
あと、前回記事の蛇足で「個人的には、信頼だけではなく、もっとパンチがあるプロダクトを生んでほしいし、そうじゃないと今後、多数のライバルが出てきた時に埋もれてしまうのではないでしょうか」ということを書きました。うまく動作するようになって、その考えは薄れました。鍵の共有というイノベーションは、信頼できるホームセキュリティの確立の度合いによってインパクトが増大すると感じたからです。つまり、安心して装着して使用できるという信頼感が高いことでデバイスの浸透につながり、それが社会的イノベーションの土壌となるということです。