イーロン・マスク氏、トンネル交通網についての詳説FAQを公開

交通

深刻な渋滞に悩まされているアメリカ・カリフォルニア州のロサンゼルス。その交通問題に立ち向かうべくイーロン・マスク氏が設立したのが「THE BORING COMPANY」社です(東京-横浜を6分で移動できる新交通、イーロン・マスク氏 The Boring Company -穴掘りカンパニー設立)。その名の通り、このような巨大な掘削機を使って、縦横無尽にトンネルを掘ろうとしています。

しかし、自動運転の車やバス、シェアライド、次世代交通手段の開発など交通網の進化が進む中、本当に穴を掘るのが必要なのでしょうか?そうした疑問に答えるFAQページがTHE Boring Companyのサイト上に公開されました。以下、ざっくりと紹介したいと思います。

FAQ — The Boring Companyの概要

このページでは「交通渋滞問題を解決するには「道路を3Dにする必要がある」と言い切ります。トンネルを多層に規模を拡大することで、どんな混雑をも解決するとしています。ただし、これを実現するには、穴を掘るスピードを向上し、コストを1/10にまで引き下げる必要があり、The Boring Company社としてはそれを目標として挑戦をすると説明しています。

では各項目をみてみましょう。

なぜトンネルなのでしょうか?

地上の交通量を軽減するには、交通網を3次元に拡張する必要があります。その方法の一つとして飛行機があげられますが、騒音や墜落の問題があります。もう一つの方法として地下にトンネルを掘る方法があるということです。利点としては以下が挙げられるとのことです。

・何層のトンネルを構築するにも制限はないため、どんな規模でも建造できます
・天候の影響を受けません
・建設中の騒音も走行音も地上に迷惑をかけることがありません
・地域を分断することはありません

また、車両運搬用の電動スレッド(そり)を利用することで、トンネルの径を小さくし、人為的な事故や排気ガスの問題も回避できます。また、将来的に真空シェルが導入できれば、1時間で600マイル以上の速度で移動できるハイパーループポッドを運行することも可能となります。

どのようにしてトンネルを掘るコストを削減できますか?

トンネルを掘るコストは1マイルあたり10億ドルのコストがかかるといわれています。今考えているプロジェクトではその1/10以上にまで削減しないと実現しません。

それにはまず、トンネル径を小さくします。そのために前述した車両を安定して運搬できる機構(スレッド)を導入することで、直径を一般的なトンネルの半分の14フィートにまで縮小します。これで、3~4分の1にまで削減できます。次に、トンネルボーリングマシン(TBM)の速度を14倍速くする方法を採用します。その方法は以下の通りです。

・TBMの電力を増やします。マシンの出力は3倍になります。
・トンネル建造のプロセスを効率化します(。
・TBMを自動化することで、安全性と効率性を向上させます。
・TBMを電気駆動に置き換えます。
・トンネル建造の研究開発に投資をします。

地震が発生したときは安全なのでしょうか?

ロサンゼルスには断層があることが知られていますが、逆に適切に設計されたトンネルは、地震時に最も安全な場所の一つとして知られています。直近ですと1994年に発生したマグニチュード6.7のノースリッジ地震では、LA地下鉄トンネルへのダメージはありませんでした。

掘削後の土壌はどう処理するのでしょうか

The Boring Companyでは、レンガにリサイクルして、構造物をつくる技術を研究しています。これらのレンガは、トンネル内張りの一部として使用する可能性もあります。これが実現できればコストが削減できるのはもちろん、通常壁材として使われるコンクリート生産における温室効果ガス排出量を抑制することができ環境への貢献も可能となります。

(了)

【関連URL】
・The Boring Company | FAQ
https://www.boringcompany.com/faq
・東京-横浜を6分で移動できる新交通、イーロン・マスク氏 The Boring Company -穴掘りカンパニー設立
http://techwave.jp/archives/elon-musk-unveiled-the-boring-company.html

蛇足:僕はこう思ったッス
maskin-bit-2016 いずれもイメージしやすい明確な質疑だと思う。実現できるかどうかまだわからない点もあるが、一つ一つの目標は非現実なもののようには感じなかった。地下トンネルネットワークが都市ごとに構築できれば、次世代交通手段ハイパーループでその都市を直結することが可能となる。イーロン・マスク氏は当然ながらその絵を描いて穴を掘っている。FAQページでそこにも触れていて、実現できれば「ニューヨークからワシントンDCまで30分以内で移動できます」とのこと。

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Editor In Chief at TechWave.jp
1990年代初頭からソフトからハードまで50以上のスタートアップ立ち上げを国内外で経験。平行して雑誌ライターとして疾走。シリコンバレーでガレージベンチャーに参画後は、国内でネットエイジを筆頭にスタートアップに多数関与。ブログやSNSの国内啓蒙、ソニーの社内イノベーション事業など関与。通信キャリアのニュースポータルの立ち上げ期の編集デスクとして数億PV事業に育てた後、TechWaveにジョイン。世界最大のグローバルIT系メディアであるスペインの「Softonic」の元日本編集長
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