HAROiDがテレビ連動ポイントサービス「CHARiN」発表、いよいよ初まるテレビxネットxリアルの世界 前編(1/2) 【@maskin】

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 日本テレビとバスキュールの合弁会社「HAROiD」は2016年2月26日、テレビ番組と連動したポイントサービス「CHARiN」を発表した。テレビ番組の企画やウェブ上の企画などに参加することでポイントが蓄積され、さまざまな価値と交換することができるというもの。サービスインは2016年の夏を予定。イメージキャラクターの「茶鈴(ちゃりん)」は、ポイント獲得時などに特徴的な音色で登場するという。

HAROiDのすべてが「CHARiN」に通じる

 HAROiDが設立されたのは2015年5月25日。バスキュール関連会社とともにテレビ視聴を参加型にするシステム「M.I.E.S.」などを開発してきた元日本テレビ放送網の安藤聖泰 氏が、テレビの体験を時代にあわせてバージョンアップするという考えでサービス開発を続けてきた。

 同年2015年7月15日に電通とともに資本参加したビーマップは「Wi-Fi関連技術、店舗画像監視システム、乗換案内システム、テレビメタデータ、プッシュ配信」などを社会インフラ企業に提供している企業で、日本テレ時代からJoinTV(テレビ視聴者会員サービス:現在はHAROiDに吸収)などにおいて「O2O2O」=放送(オンエアー)・オンライン・リアル(オフライン)の流れを実現する後押しをしてきたが、ついに「テレビから生活導線へ」という理念を「CHARiN」で実現できるようになる。

個人がテレビの中でどう行動できるか

 HAROiDの取り組みの根幹を成すのが「ユーザーID」。 すでにHAROiDは「HAROiDアカウント」というユーザーIDサービスを2015年10月5日から提供を開始。同年11月16日には、3Dアバターがもてるテレビ連動サービス「TOVY」(トビー)を開始し、テレビ番組連動企画を実施するなどして同12月3日には「HAROiDアカウント」の利用者は100万人を突破した。

 HAROiD代表取締役社長 安藤聖泰 氏は言う「テレビの周辺を何とかすることで、インターネットの景色が変わると思ったんです」

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 「本当の本音を言うとテレビに絞るつもりは毛頭ないんです。しかし、いろいろなことが言われても、いまだに最大接触メディアで、いまだだに接触時間多くて影響力がある。若い人のテレビ離れであるとか色々なことをききながらも、ここまで大きなメディアがインターネットと親和性が高くないという現実があるのを何とかしなくちゃなと思ったんです。

 2年半ほど前に、「JoinTown」という高齢者や災害対策をどうにかしようという取り組みを地方でやりました。やはりインターネットを活用することが一つの手段なのですが、実際に現場を歩いてみるとインターネット接続のタブレットなどを配布するような取り組みをやられていても結局は使われておらず文鎮になっているケースが目立ったんです。住民説明会をしようにも、最新デバイスとのつきあいが難しい人が大半。こういう現状を見ると、マスにリーチできる唯一のメディアっていうのはテレビしかない、だったらこのテレビを何とかすることでインターネットの景色が変わると思ったんです。100%テレビとは思ってないですが、テレビをインターネット的というか、テレビを軸にインターネットの多様な取り組みを展開することで、もっと普及しやすくなるんじゃないかなと思ったというわけです。

 私はテレビ出身ではありますが、本音で正直言うとテレビだけに絞る気はないんです。入口がテレビであって、これが突破口となってインターネットの活用を拡大していこうという気持ち。

 これまで語られていた「ネットとテレビの融合」ってのはテレビをインターネットを配信にするという話が中心になっていたと思うんです、それはそれで大切なことですが、もっとやり方があるだろうとして初めたのが「HAROiD」なんです。だからこの社名は、“Hello World”とか“インタラクティブ”といったキーワードがあり、最終的に“個人”がテレビの中(マス)でどう行動できるか、といった包括的な思い入れから出てきた造語だったりします」(安藤氏)

テレビをアップグレードする

 HAROiDが考えていることの一つに「テレビにまつわる体験をどうアップグレードするか」ということがある。一つは前述した視聴者個人との関係性、もう一つはテレビ事業との関係だ。こうしたテレビをめぐるさまざまな取り組みや事業、デバイスそのものもアップグレードといったところまでカバーしていきたいという考えが安藤氏にはある。

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 「「バルス!」と大量のツィートがあるような瞬間的なエネルギーは、テレビならではの特殊な価値で、そういった濃いパーソナリティがインターネットを介して集まっている。テレビ業界目線でいうと、テレビ視聴者全体でみるとまだまだ少ない参加という話にはなってしまうんですが、しかしその人たちの価値は確かにある。たとえば、2015年年11月に地方テレビ局などでもユーザー投票企画が実施できるサービスを提供を開始たりしていますが、そうしたサービスを提供することで、ロイヤリティがとても高いそうした人達との距離を近づけることができるんじゃないかと思うんです」(安藤氏)。

 例えば、エヴァンゲリオン放送時の企画で大量にタップしたユーザーが、その興奮がさめやむ前に居住地にある店舗で特典を購入するなども考えられる。

 「大いにあることですね。ただ、定常的にやる必要がある。そこをパッケージとして整理して展開する必要があるんです。それが今回のポイントサービス「CHARiN」であり、これを軸にこの方向性を拡大してきながらマーケティング革命を起こしてゆきたいです」(安藤氏)。

 では、安藤氏は、テレビの周辺をどのようにとらえて「CHARiN」をどのように発展させようと考えているのか、続きはより深い話へと展開したい。
後編に続く


【関連URL】
・ポイントサービス「CHARiN」サイト
http://www.charin.tv
・HAROiD
https://www.haroid.com/
・日本テレビとバスキュールが「HAROiD」設立
http://techwave.jp/archives/haroid-founded.html
・HAROiD、電通とビーマップが増資引受 〜 プッシュとO2Oでテレビを変える?【@maskin】
http://techwave.jp/archives/haroid-changes-tv-ecosystem-with-smartpush-and-o2o.html
・ダブルスクリーン視聴体験がキテる! バスキュールが「M.I.E.S.」発表【増田 @maskin】
http://techwave.jp/archives/bascule_double_screen_mies.html
・テレビ視聴、広告の未来はどうなるの?CES 2013に見る米の試行錯誤の最先端【西村真里子】

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蛇足:僕はこう思ったッス
maskin2011009rev.fw実はこの取材は2015年9月に実施したものを主体に構成しています。この数年HAROiDの活動をウォッチする中で「ああ、おそらくこの領域を狙うのだろうな」「こういったことを展開すれば変わるのだろうな」ということを率直に突っ込んで話を伺がっていたのですが、取材中なんども安藤氏は「え!? 」と「何でそう思うんですか? まあこれまでの流れを見れば推論できるとは思うんですが、まさかここまで具体的にきいてくるなんて。。」と驚きを隠し切れなかった(文中の写真はその前後の表情)。

話が盛りあがったきっかけは、アナログ時代最後のテレビ局「とちぎテレビ」の話。これは僕の自宅の近所にあるテレビ局だが、地方というのはとにかく極端にテレビに依存度が高い。JoinTownを展開した徳島県などもそうだが、地方はテレビで人が動く状態。これまでは新聞折込チラシなども強かったが部数は現象し役目を終了しつつある。ネットをなんとか普及させようとする動きは依然続いているのだけど、結局、生活圏に君臨するデジタルデバイスはテレビが主役であって、現時点は安藤氏の指摘のようにここをどうにかしないとネット活用はまだ一部の人のものになったまま(もちろん成長はするのだろうけど時間はかかる)となるわけです。人がうごく枠組みにポイントプログラムを展開するということは、現実の経済網とは異なる「もう一つの経済網」ができるということ。個人にフォーカスすれば「もう一つの財布」になります。

これが何故期待に値するかというと、テレビはまだマスのものであり、いくら参加型にしてもリアル経済圏にはなかなか降下してこないわけで、そこに仮想通貨としてのポイントが組み込まれることでリアルからテレビ、テレビからリアルという価値交換が可能になるからです。普段のお財布では購入できないことにもためたポイントなら「やってみようかな」となる。そしてその逆もあるわけです。

というわけで、この話のもっと深いところは次回へ!

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Editor In Chief at TechWave.jp
1990年代初頭から国内外のソフトからハードまで50以上のスタートアップ立ち上げを経験。平行して雑誌ライターとして疾走。シリコンバレーでガレージベンチャーに参画後は、ネットエイジを筆頭にスタートアップに多数関与。ブログやSNSの国内啓蒙、ソニーの社内イノベーション事業など関与。直近では通信キャリアのニュースポータルの立ち上げ期の編集デスクとして数億PV事業に育てた後、TechWaveにジョイン。世界最大のIT系メディアであるスペインの「Softonic」に参加後、2016年からTechWave第三章として新興メディアの開発を再スタート。国内最大規模のスタートアップ&B2Bイベント「アプリ博」のオーガナイザー。
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