デバイスWebAPIで拡張可能なIoTスマートホーム、横浜市とNTTドコモ・スマートホテルのand factoryが「未来の家プロジェクト」で連携

HTML5&JavaScript, Smart Home, Yokohama

横浜市に所在する6000社の製造業と3000のIT事業所が連携してIoT事業を開発することができたら? そんな巨大なビジョンを検討・推進するプロジェクト「未来の家プロジェクト」が本日2017年6月22日から始まります。

横浜市・NTTドコモ・スマートホテルで注目を浴びるand factory(「IoTプロダクトの実験場、スマートホテル「&AND HOSTEL」の躍進」)がタッグを組み、実際に地域の課題を解決できる理想の「IoTスマートホーム」構築を目指すというものです。

左から:横浜市 経済局長 林琢己 氏・
NTTドコモ 執行役員 R&D戦略部長 兼イノベーション統括部長 大野友義 氏・
andfactory株式会社 代表取締役CEO 小原崇幹 氏

IoTスマートホーム

3者の目的は「IoTスマートホーム」の実用化。プロジェクト参加企業とIoTプロダクト(デバイス・サービスを創出することで、高齢者のひとり暮らし対策や災害時対応を目的としたスマートモバイルホームを提供するという「未来の家」を作り上げることにあります。

NTTドコモは、通信インフラ提供や技術支援はもとより、IoTデバイスをクラウドなどと連携しやすくするオープンAPI「デバイスWebAPI」を提唱し国際標準化を果たすなどの活動をしており、それらを導入することで様々なIoT機器とアプリやウェブなどと連携する流れを加速させたい狙いもあります。

サービスデザインやアプリ開発についてはand factoryが運営するIoTホテル「&AND HOSTEL」などの運営で得られた膨大なビックデータを活用し、医療や生活などに役立てる知見をIoTスマートホーム開発に投入する考え。

この取り組みは2年間とという期限を設けてあり、実際のところ当初は冒頭の写真のトレーラーハウスに関係者などを一定期間住まわせ、少しずつ実験を繰り返していくとのことで、いきなり大規模な展開になるわけではなさそうです。しかし、実験については参画企業から出てくる要望を随時受け付けていくことで、実際に居住しないとわからないデータの獲得などには貢献することができそうです。

これが「未来の家」

キックオフ時に用意されたのはトレーラーハウスを使ったIoTスマートホーム。電源は日産リーフを使った家庭電源供給システムが使われていました。実際、このIoTスマートホームは、今後横須賀方面に移動して実証実験を開始するとのことです。

中は以外と広く。乾燥洗濯機やユニットバス・トイレ、洗面台まで完全に生活できるような構成になっています。一見するとIoT的な要素が目に入らないように思うのですが、よく見ると体重計や鏡がIoTデバイスになっています。

壁に目を向けると4K映像の「Atmoph Window」がさりげなく掛けられています。

寝室などは何もなさそうですが、照明やカーテン、テレビなどがタブレットでコントロールできるようになっているほか、睡眠や食事内容を記録・計測できるようになっていたり、センサー&アクションの仕組みが目立たなくも効果的に配置されていると感じます。

全体を通して意外に思ったのが、あくまで快適な生活ができる空間がそこにあるだけで、IoTスマートホームだからといって機器類がギラギラしているわけではないという点です。そもそも「未来の家プロジェクト」は、高齢者の健康や安全を維持するという社会的課題を解決するためのものであり、まず普通の生活が成り立つ場所で誰もが簡単にメリットを享受できるようなIoTスマートホームを実現させるという意思が見て取れました。

中心に立つのは横浜市経済局、想像以上に盛り上がるプロジェクトメンバー

「未来の家プロジェクト」は、横浜市が2017年4月に立ち上げたIoTを活用した事業創出を目的とした取り組み「IoTオープンイノベーション・パートナーズ」(=通称「I・TOP横浜」)の一環と実施されるものとなります。

I・TOP横浜」は2017年4月11日にスタートしたばかりで、DeNAとの自動運転の実証実験(「DeNA、坂道の多い横浜市でロボットバスの可能性を探る」)もこの取り組みの一環という位置づけです。

こうした自治体主導でどこまで成果を生むことができるか、横浜市 経済局長 林琢己 氏は「スタート直後はこちらからどんどん声をかけていく必要がありましたが、2017年6月20日に行ったキックオフイベントでは予想を超える600人以上の参加者から申し込みがあり、受付を中断するほどの盛り上がり」と想像以上に熱気を帯びているようです。

「未来の家プロジェクト」における横浜市の役割は、不動産・住宅メーカーの実証場所や住宅の提供、市内6000の中小企業との連携、通信事業者(NTTドコモ)とのプロジェクト推進をするというものですが、そのサイクルを回すエンジンはうまく着火できたようです。

【関連URL】
・横浜市、NTTドコモとIoTスマートホームを活用した「未来の家プロジェクト」を開始
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000059.000014185.html
・and factory
http://andfactory.co.jp/
・IoTプロダクトの実験場、スマートホテル「&AND HOSTEL」の躍進
http://techwave.jp/archives/smarthote-andhostel-as-iot-product-experiment-site.html

蛇足:僕はこう思ったッス
maskin-bit-2016 実はこの取り組みの鍵を握る一つの要素と思われるのが表題に付けた「デバイスWebAPI」の存在。これはハードウェアをWebAPIで操作したりデータを取得したりできる仕様。このプロジェクトの成否は、より多くのハード・ソフト・各事業者が連携して実験を行えるかどうかという点なわけです。たった二年間しかありませんから、それぞれ別の仕様で作られたハードやアプリを連携するのはとても面倒ですが、デバイスWebAPIに対応したハードを前提に進めれば、ウェブやアプリなどからさまざまなストーリーでサービスをある程度拡張していけるようになるというわけです。

実はこれと理念を持った取り組みが、先日幕張メッセで開催された「APPS Japan 2017(アプリジャパン)」でも行われていました。Mozilla Japanとニューフォリアによる「WEB SHIP – Web based Adventure Life -」です。自作IoTとして、ウェブ技術によるIoTのカスタマイズ&拡張をコンセプトにキャンピングカーを展示していました。「大切なのはウェブのように拡張できる」という点です。むしろそうじゃないとIoTはコラボできないといっても過言ではないかもしれません。これまで20年以上IoTは存在していたわけですがその問題を乗り越えることはできなかった。デバイスWebAPIはそのために生まれたもので、今回のIoTスマートホームに最適かつ不可欠なものだと思うっす。(ちなみにIoTスマートホームはNTTドコモさんの登録商標だそうです)

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Editor In Chief at TechWave.jp
1990年代初頭からソフトからハードまで50以上のスタートアップ立ち上げを国内外で経験。平行して雑誌ライターとして疾走。シリコンバレーでガレージベンチャーに参画後は、国内でネットエイジを筆頭にスタートアップに多数関与。ブログやSNSの国内啓蒙、ソニーの社内イノベーション事業など関与。通信キャリアのニュースポータルの立ち上げ期の編集デスクとして数億PV事業に育てた後、TechWaveにジョイン。世界最大のグローバルIT系メディアであるスペインの「Softonic」の元日本編集長
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