- 「ソラコム」がスイングバイIPOを実現、東証グロース市場上場承認 - 2024-02-22
- (更新)結果速報 LAUNCHPAD SEED#IVS2023 #IVS #IVS @IVS_Official - 2023-03-09
- 「始動 Next Innovator 2022」締め切りは9月5日(月)正午ー経産省・JETRO主催のイノベーター育成プログラム #始動2022 - 2022-09-01
[読了時間: 2分]
本当に長い戦いだったと思う。市販薬の一部を除き通信販売を禁止するという厚生労働省の省令の無効を求めた裁判で2010年3月、原告の訴えを退ける判決が下された。原告の一社であるケンコーコムの代表取締役 後藤玄利 氏は当時、「はらわたが煮えくりかえっている」と評している。
要はインターネットで薬を販売できるかどうかという話だが、これは医薬品販売ECを手がけるケンコーコムらだけの話ではない。
「インターネットは情報提供の点で対面より有意か否か」という問い。
場合によってはネットの可能性がそこなわれる重要なトピックだったのだ。
後の2013年1月11日。原告の逆転勝訴。しかし、日本国政府は薬事法を改正して規制を維持しようとしているという話も出てきていた。
そんな流れの中、楽天の三木谷社長は政府に対し「こんな規制緩和も出来ないようなら(産業競争力会議の民間議員を)辞める」と迫ったという報道もあった。
解禁宣言
そして遂に2013年6月5日、成長戦略第三弾に関する講演で、安倍晋三首相はこのように発言した。
「インターネットによる、一般医薬品の販売を解禁します。
ネットでの取引がこれだけ定着した現代で、対面でもネットでも、とにかく消費者の安全性と利便性を高めるというアプローチが筋です。消費者の安全性を確保しつつ、しっかりしたルールの下で、すべての医薬品の販売を解禁いたします」。
これに対し、ケンコーコム 後藤社長は「この表明により「インターネットで『どの』医薬品の販売を禁止するか」という議論は終わりました。「インターネットで『どのように』医薬品を安全に販売するのか」の検討をする段階に移りました」という声明を同日公開している。
【関連URL】
・ケンコーコム、本日の安倍首相の表明をうけてコメントを発表
http://blog.kenko.com/company_pr/2013/06/post.html
・薬のネット販売、全面解禁へ 【増田 @maskin】 #otcEC
http://techwave.jp/archives/51776029.html
・ケンコーコムらが逆転勝訴、市販薬のインターネット販売規制訴訟 【増田(@maskin)真樹】 #otcEC
http://techwave.jp/archives/51742083.html
・ケンコーコム、一般医薬品のネット販売禁止訴訟の判決要旨を公開【増田(maskin)真樹】 : TechWave
http://techwave.jp/archives/51424763.html
・「はらわたが煮えくりかえっている」 ネットビジネス根幹を揺るがす判例と後藤氏 【増田(@maskin)真樹】
http://techwave.jp/archives/51424858.html
蛇足:僕はこう思ったッス
TechWaveにスタッフとして参加して間もなくのニュース。それから丸3年。ネットへの偏見はよくないが、当時は無知な消費者が、不正な薬品利用をする事件もあり、どうやって安全性を確保すればいいのか自分の意見に戸惑いもあった。それから3年、環境の変化はあれど、その戸惑いは正しかったと感じている。
つまり、僕達は問題と対峙し続け、誰に対しても安全で信頼できる便利な手段を創出していかなければならないんだと思う。問題があれば議論して改善できるのがIT&ネットの良いところでもあるわけだし。
この流れは選挙のネット解禁にも大きな影響を与えたと思う。大切なことは、対話ための一歩を踏み出したということだと思う。ケンコーコム後藤さん、三木谷さん、IT業界の関係や政府関係者の英断に御礼したい。
変化し続ける高エネルギー生命体。8才でプログラマ、12才で起業。18才でライター。道具としてのIT/ネットを追求し、日米のIT/ネットをあれこれ見つつ、生み伝えることを生業として今ここに。1990年代はソフト/ハード開発&マーケティング→週刊アスキーなどほとんど全てのIT関連媒体で雑誌ライターとして疾走後、シリコンバレーで証券情報サービスベンチャーの起業に参画。帰国後、ブログCMSやSNSの啓蒙。ネットエイジ等のベンチャーや大企業内のスタートアップなど多数のプロジェクトに関与。坂本龍一氏などが参加するプロジェクトのブログ立ち上げなどを主導。 Rick Smolanの24hours in CyberSpaceの数少ない日本人被写体として現MITメディアラボ所長 伊藤穣一氏らと出演。活動タグは創出・スタートアップ・マーケティング・音楽・子ども・グローカル・共感 (現在、書籍「共感資本主義」「リーンスタートアップ」執筆中)。@宇都宮ー地方から全国、世界へを体現中。
メール maskin(at)metamix.com | ChatWork(Voice/Video) | 書籍情報・ 詳しいプロフィールはこちら・Twitter @maskin・Facebook