株式会社ループス・コミュニケーションズ代表取締役
斉藤 徹
世界中でソーシャルゲーム業界にファンドマネーが殺到し,バブルの様相を呈している。
【データ元: Virtual Goods Investment Report】
その理由は単純だ。久々に発掘された,IT業界の「儲かる大金脈」だからだ。
ではなぜ儲かるのか?そしてどれくらい?
この記事では,ソーシャルゲームの根源にある「フリーミアムモデル」と「ソーシャルモデル」の相乗効果を具体的に検証し,その儲かるビジネスモデルの謎を解き明かすとともに,具体的な目標値や収益の構造について深く分析していきたい。
■ フリーミアムモデル ~ 顧客数と利用者単価をともに向上させる奇跡のモデル
売上は顧客数と利用者単価の掛け算だ。そして多くの商売ではそのどちらに力点をおくかで戦略がかわってゆく。ブランド志向では顧客単価を,低価格志向では顧客数をという具合に。
今までも質と量をともに向上させる技術革新というものは多くあったが,この「フリーミアムモデル」は,商品はそのままに,ビジネスモデルを変えるだけで顧客数と利用者単価を同時に増加させることを可能にする,ある意味で奇跡のモデルなのだ。
では具体的に数字で見ていこう。