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[読了時間:4分、「蛇足」つき]
報道各社が伝えたところによると、パナソニックと楽天は次世代テレビの共同開発で提携したという。各社の報道をまとめると、プラズマテレビ「ビエラ」をインターネットに接続し、商品を購入できるようにする。発表は10月上旬。5日開幕の見本市シーテックで発表するものとみられる。
テレビを使ったネットショッピングの需要の高まりを見込んでパナソニックが楽天に共同開発を打診した。一方で楽天はパナソニックとともに世界進出を拡大するチャンスと快諾したという。
(記事の見出しを紹介したり記事への直リンクを張ることを違法と考える新聞関係者が多いので、あえてリンクを張りません。記事原文を読みたい方は、Googleで「パナソニック」「楽天」「次世代テレビ」のキーワードで検索してみてください。記事は朝日、毎日、時事などから出ています。)
各紙の記事の見出しだけ見ると、ソニーがGoogleと組んで次世代テレビを開発するのに対抗して、パナソニックが楽天と組んだ、というようにも見える。「放送と通信の融合」「流通革命」とかいう表現が記事の中に出てくるんだけど、本当にそういう話なのだろうか。
Goolge、Appleは、それぞれ次世代テレビを家庭におけるデジタルライフスタイルの中核デバイスとしてとらえ、ステレオやタブレット機器、スマートフォンなどすべてのデバイスと連携させて、あらゆる娯楽コンテンツを自由に楽しめるような環境を作ろうとしている。テレビという1つの機械を売るだけではなく、新しいライフスタイルを提案し、そのライフスタイル上で大きな影響力を行使しようとしているわけだ。
パナソニックや楽天は、同じようなビジョンを持って、対抗しようとしているのだろうか。
両社の実力を考えれば、Google、Appleに対抗することが決して不可能だとは思わない。でもそうした壮大なビジョンのもとで動いているようには到底思えない。
なぜなら仕掛けたのがパナソニック側で、楽天はそれに応えただけだからだ。楽天ならそうしたビジョンを持って進んでいるかもしれない。でも記事を読む限り、仕掛けたのがパナソニックで、パナソニックのビジョンは「ネットショッピングが可能なテレビ」という程度のものだということだ。
もしそうであるならば、それって楽天がテレビ向けにコンテンツを拡充し、簡単にショッピングできるようなプログラムを開発する、というだけのことじゃないんだろうか。つまりAmazonがiPhone向けにアプリを開発したり、恐らくGoogle TV向けにもアプリを開発してくると思われるけれど、それと同程度のことじゃないんだろうか。
そりゃ楽天は、パナソニックが特別に自社アプリをフィーチャーしてくれるんだからうれしいに違いない。アジアなど世界進出のきっかけになればと思っていると思う。
でもそれだけの話なら、Google、Appleの次世代テレビとはまったく別格のモノになる。だからダメというわけじゃないし、売れないというわけでもないけど、同じ次世代でも全然違うものだと思う。
取りあえず、発表を待とう。発表で楽天が、Google、Appleに対抗するほどの熱意で語るのかどうかで判断したいと思う。