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朝のバタバタした時間が終わり、ゆっくりした時間の中でMarkezineを見ていたら「2010年08月の旅行関連の人気サイトランキング」という記事を見つけた。1位は楽天トラベル。2位はANAかあ。
10年前にだれがこのランキングを想像しただろうか。ANAが旅行代理店としても大手になるって、だれが考えただろう。
10年前ー。ある旅行代理店の営業マンが事務所に来て、いつものように油を売っていた。
「インターネットが普及してこれから代理店業務って大変になるんじゃない?」と振ると、彼は「全然だいじょうぶですよ。お客さんはほとんど全員が『チケットを事務所に届けて』て言ってきます。紙のチケットを手に持たずに空港へなんて心細くて行けないですよ」と笑顔で語っていた。
それから何年かして彼の店は閉鎖になり、彼も転職したと聞く。
最近、楽天の本社を訪問した。社内のあちらこちらに三木谷さんの書いた標語のようなものが張ってあったのだが、そのうちの一つに「ここ2、3年が勝負。2、3年が今後を決める」というようなことが書いてあった。正確な表現は忘れたけど。
楽天の社員に「これっていつぐらいに三木谷さんが言ったこと?」と聞くと、2000年ごろだという。
旅行代理店の営業マンが事務所に来て、油を売っていたころだ。
そして三木谷さんの言ったとおり、その2、3年の間に勝負はつき、10年後の今、業界勢力図は完全に塗り変わった。
今、三木谷さんがどう考えているのかは知らない。だが、僕は今また大きな変革の時代だと考えている。ソーシャル化によって、業界の勢力図が再び塗り変わるのではないかと思う。勝負は2、3年。そのことにどれくらいの人が気づいているのだろうか。
この10年、僕は計4年近くOFFになっていたので、客観的にその動きが手に取るように感じ取れる気がする。
湯川さんの目と鼻の先に住んでいたアメリカ在住時代から日本に定着したのがちょうど10年前。シリコンバレーではバブルが崩壊し、ネット野菜宅配のWebVanが破綻。現地テレビでは「リスクのある人生はやめましょう」という公共広告が流れていた。しかし、シリコンバレーの住民に熱が冷める様子はみられなかった。
一方で日本は、iモード等を筆頭に、やっとIT&ネット活用の兆しが見えつつあったが、まだまだ「ネットはこれからでしょう」という人が多かった時代。興味はあっても、ネットビジネスは一部の事業者のものだったし、既存業界もそこにある壁に呆然としてた。
当時、日本人では伊藤譲一さんと西川潔さんなど一部の人しか加入していなかったSNSに夢中になり、blogシステム向けCMSなど、一般の人の非同期型コミュニケーションを実現するサービスに期待していた。そう思ったのが2001年頃。確かに2、3年のスパンで日本にblog/SNSブームが発生した。あの時、この流れにいち早く飛びついた人達は確かに成功している人が多い。しかし、今は別の流れがある。人も情報も金もネットという雲の中に集約されつつある。決断にはもう遅過ぎるくらいだが、湯川さんのいう通りこの2、3年で業界の様相は変わると思う。