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米国で開催されたWeb2.0 Summit 2010の複数の動画がYouTube上にアップされている。その1つにFacebookのCEO、Mark Zuckerberg氏のインタビューがあるが、その中で同氏はFacebookの今後の主な収益源が仮想通貨Facebookポイント(英語ではFacebook Credits)になるであろうと話している。また将来的には、ウェブ上に広がったFacebookと他社サイトの連携のネットワークを通じて広告配信ビジネスに乗り出す可能性についても否定しなかった。
Facebookユーザーが友人を引き連れてくることを期待しFacebookとデータ連携するサイトが米国で増えているが、今後こうした連携サイト上でのユーザーの行動履歴などを利用するなどの方法で、これまでにないような効果的な広告配信の仕組みが完成する可能性があるのは、だれの目にも明らか。Web2.0 Summitを主催するTim O’Reilly氏やJohn Battelle氏もこの点に注目し、Facebookが広告配信事業に乗り出す考えがあるのか質問している。
Facebook Connectや「いいね!」がウェブ上に広がったことで、もうそろそろソーシャルグラフを利用した広告ネットワークに乗り出すのではないかと思っているのだが。Googleは創業6年後に検索連動型広告でマネタイズの段階に入った。Facebookも、もうそろそろマネタイズの時期では?
これに対してZuckerberg氏は「Googleがマネタイズの段階に入ったときよりも、Facebookはまだ手前の段階だと思う」と答え、収益を追求するよりもまだすべきことがあるという考えを示した。
そのすべきこととは、業界を変えるようなビジネスを生み出すプラットフォームに徹すること。Facebookをプラットフォームとしてソーシャルゲームという新ジャンルが誕生しゲーム業界の勢力図を塗り替えたように、今後5年以内にあらゆる業界がFacebookの持つ人間関係のパワーによって大きく変貌する、というのがZuckerberg氏の予測。Facebookがその業界変革を生み出すプラットフォームになることで、広告配信に頼らなくても十分な収益が上げられると考えているようだ。具体的には、仮想通貨のFacebookポイントがソーシャルゲームに利用されることで手数料収入がFacebookに入る。同様に、音楽、映画、テレビ、ニュースなどの領域が今後ソーシャルのパワーで激変するであろうから、そこからもFacebookポイントの手数料収入が期待できるというわけだ。
(関連記事:業界勢力図を塗り替える「基礎からソーシャルなサービス」とは、いでよ!業界に激震起こすソーシャルベンチャー Amazon、FacebookらがsFund創設【湯川】)
ただそうした業界再編が落ち着いたその先に、Facebookが広告配信ネットワークに乗り出す可能性についてはまったく否定していない。Zuckerberg氏も広告配信ネットワークが将来的にはFacebookにとって大きな収益源に成りうることは十分に認識しているようだ。
この辺りのニュアンスはインタビュー動画を見てもらうのが一番分かりやすいと思う。1時間程度の動画だが、20分を経過した前後に、この部分のやり取りが行われている。