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米Wall Street Journal紙は、米Googleがオンライン上の注文から24時間以内に配達する有料サービスを構築する目的で、大手小売店チェーンなどとの協議に入ったと報じた。Amazon.comが提供する「お急ぎ便」や、「お急ぎ便」を無制限に利用できる年会費制の「Amazonプライム」といったサービスに対抗する動きと見られている。
米Business Insiderによると、Googleは大手デパートチェーンのMacy’sやアパレル大手のGap、オフィス文具のOfficeMaxなどと協議に入った。Googleの商品検索を通じて注文したユーザーに対し有料で「1Dayシッピング」のサービスを提供する枠組みを大手小売店と構築するのが狙いだとみられている。
「Amazonプライム」は、日本国内の場合、年会費3900円で、1回350円から500円の「お急ぎ便」、「お届け日時指定便」 が追加料金なしで無制限に利用できる会員制プログラム。Amazonにとっては年会費という収入源になる上に、顧客の囲い込みのメリットもあるといわれており、近年のAmazonの成長の大きな要因とみられている。
一方Googleはこのところ、コマースの領域に力を入れているようで、日本でもGoogle Shopperアプリ日本語版をリリースしている。同アプリは商品名を入力すると、ネット上で同商品を扱っているECサイトとその価格を一覧表示するほか、ユーザーの現在地の周辺のリアル店舗で同商品を扱っている店と在庫情報、価格を表示してくれる。商品についているバーコードを読み取って、オンライン、オフラインの価格を比較することも可能だ。
Google、Amazon、Apple・・・。米IT大手ってお互いの領域にどんどん入ってきている感じ。
配達時間の短縮って確かに重要。最近のAmazonって本当に配達が早くなったと思う。先日も電気カミソリをAmazonで購入したんだけど、翌日には配達された。オンラインショッピングはAmazonと楽天を使うことが多いんだけど、同じような価格ならAmazonの配達のほうが早いのでAmazonに注文することが増えてきた。
Amazonプライムが登場したときには、「年に3900円も払う人なんているのかな」と思ったんだけど、それを払ってでも早く配達してほしいという人が非常に多く存在するということなんだね。しかもAmazonプライムを利用する人は、せっかく3900円払っているんだからほかのECサイトを利用しないはず。これはすごい囲い込み。
そこにO2O(オーツーオー。Online to Offline。オフラインとオンラインの融合)の波。オンラインの買い物もリアルの買い物もすべてはモバイルアプリから始まる時代がもうそこまできている。これは早い段階に消費者を囲い込んでおかないと大変なことになる、とGoogleは考えたのかもしれない。
eBayがものすごい勢いでO2Oの領域に進んでいることはこれまでに何度か書いた。(関連記事:O2Oの波④「攻めの体制整った」先陣を切ったeBayのO2O戦略【湯川】)
日本ではモバイルアプリを核にしたO2Oってまだまだかなと思っていたんだけど、GoogleがGoogle Shopperであっという間にそれを実現した。eBayの記事に対して「リアルの店舗で価格や在庫情報を提供するところなんて日本にはないですよ。価格競争になって利益が減少することはだれも望まないから。日本ではこのハードルは超えられないと思うなあ」という意見もあったけど、Google Shopperはこのハードルをラクラク超えた。今のところ在庫、価格などの情報を提供しているのは一部大手量販店だけみたいだけど。
ただGoogle Shopperを実際に試してみたんだけど、使い勝手は今一つ。「ソニーのブルーレイレコーダー」と「ジャパネットたかた:ソニーのブルーレイレコーダー」が別の商品として扱われていた。値段を調べるのなら、まだまだ価格コムのほうがいいなあ。ただ価格コムはデザインや使い勝手がほとんど進化していないので、勝負は分からない。スタートアップにもチャンスはあるかもしれない。