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エンジニアやデザイナーが場所などに依存しないで自由な就労形態でネット応募できる“クラウドソーシングサービス”。
その最注目株である「クラウドワーク」は2012年10月31日、3億円の資金調達を実施したと発表した。写真は、2012年6月 Infinity Venture Summit のプレゼンイベント「Launch Pad」で優勝した際の、代表取締役社長 吉田浩一郎氏。
資金は「伊藤忠テクノロジーベンチャーズ」、デジタルガレージの投資子会社「DG インキュベーション」、「サンエイトインベストメント」を割当先とする第三者割当増資の実施によるもの。
クローズドβ版のサービスを 2012 年 3 月 21 日に開始。以後約7か月で、上場企業を含めた2000社以上に利用されている。
約7割が東京以外の案件、地域活性化を強くイメージ
クラウドワークスは、当初から東京以外の地域で個人として仕事をしているフリーのエンジニアやデザイナーに注目。人口過多の都心で通勤することなく、個人の能力を活した就労形態を提供することをイメージしていた。
しかしながら、これまで多々あったクラウドソーシングサービスは「安過ぎて生活できない」「受注までのコンペを悪用される」という声があり、依頼側が主役に安い労働力を使うという印象が強かった。その点、吉田社長はこう説明する。
「さまざまな試みがありますが、クラウドワークスでは、まず時給制を提供することでそれらの問題を回避しています」。
クラウドワークスが2012年7月に発表した利用調査によると、東京以外でも97%が時給1000円以上、約40%が時給3000円以上で受注が成立しているとのことで、継続的に案件を得られるようであればフリーランスでも生活できる可能性があり、信用が増せば20万~50万、それ以上の受注も視野に入れられる。
案件の提供にも力を入れており、すでに募集総額は6.6 億円を突破。今回の増資により、サービス開発およびデザイン、マーケティング人員を拡充し、今後1年間で仕事の予算総額を50億円、会員を20万人までに成長させる考えだという。
「手応えとしては、3.11以降働き方や家族との過ごし方などの見直しの機運が高まっていると感じており、働き方の多様性が社会において求められていると感じています。そういった意味では社会に新しい働き方のチャンスを増やすことができると考えています」(吉田社長)
クラウドワークスが今後注力する活動
1 「地域活性化」
既に岐阜県と提携を始めており、福岡県や神戸市などでも講演するなど各都道府県での行政との取り組みに力を入れていき、地域活性化に貢献していきたいと考えております。2 「女性の新しい働き方支援」
在宅ワーカーや主婦の働き方を応援している厚生労働省「在宅就業者総合支援事業」での講演・企画協力の実績がございますが、今後各都道府県における在宅ワーカーや主婦の方々の新しい働きかたの支援や一人親就業支援事業へのサポートなども行なって行きたいと考えております。3 「海外展開」
代表の吉田のベトナムを始めとしたアジアでの事業展開の経験を活かし、今後インドネシア・ベトナム・フィリピン・中国・タイ・バングラデシュなどへの事業進出、およびシリコンバレーでの展開などを予定しております。
以下は、IVS 2012 Spring 「LaunchPad」優勝後に行なわれたインタビュー映像
【関連URL】
・株式会社クラウドワークス
http://www.crowdworks.co.jp/
・「Launch Pad」優勝は初のダブル受賞というハプニング【増田 @maskin】 #IVS
http://techwave.jp/archives/51749831.html
・日本中のエンジニアと1時間単位で受発注 クラウドワークスがクローズドβ公開【湯川】
http://techwave.jp/archives/51737042.html
・クラウドワークスが第3者割当増資【湯川】
http://techwave.jp/archives/51717573.html
僕は栃木県宇都宮市に在住している、主な仕事(作業)場も宇都宮で、ここを拠点に日本中、世界中の仕事を受注している。この10年で、テレカン(Skype/電話会議)もできない日本人の多くが、あたり前のようにSkype会議をする人が増加し、仕事がとてもしやすくなっている。そこにきて3.11があり、他拠点終了、自宅勤務の必要性も浮上し、いよいよ自由な働き方を希望する人の層が厚くなってきたように思う。
それと社会における価値観の変容もある。自分らしく、無理なく、地に足のついた生活をしたいという35歳以下の層の増加だ。手にスキルをもった多くの人が、地方などに移住し、フリーランス等で生計を立てようとしている。
しかしながら地方に移住することで仕事の受注の問題がある。スキルを活用することができないのは問題だ。そこでクラウドソーシングのように、ネット経由で仕事を受注し、納品するシステムに期待がかかる。これが実現すると、育児家事負担により仕事ができない高いスキルを持った女性らを支援することができるようになる。
これらをカバーしようと試み、実際に地方の受注を拡大させているクラウドワークスにとても感銘を受けた。ようやく地方で戦う僕のような人間にも、流れが向きつつあるように感じた。
地方経済のてこ入れで最も大切なのは「地域に生きる人が主体となり、外部を巻き込みながら “機能性” を得ること」である。これまでのケースは「東京から来ましたー、盛り上げますんでー」と大騒ぎしたものの挫折して、いつの間にか消えてしまうというもの。映画「おおかみこどもの雨と雪」にも描かれているが、地方在住者は嫌気を差している。それに対し、クラウドワークスは地域でスキルある労働者に、「場所に依存しないで良い仕事をすることができる」という機能を与えているわけで、それは僕たち地方在住者の勇気そのものになると思う。
夢を叶える技術者。8才でプログラマ、12才で起業。18才でライター。道具としてのIT/ネットを追求し、日米のIT/ネットをあれこれ見つつ、生み伝えることを生業として今ここに。1990年代はソフト/ハード開発&マーケティング→週刊アスキーなど多数のIT関連媒体で雑誌ライターとして疾走後、シリコンバレーで証券情報サービスベンチャーの起業に参画。帰国後、ネットエイジ等で複数のスタートアップに関与。関心空間、@cosme、ニフティやソニーなどのブログ&SNS国内展開に広く関与。坂本龍一氏などが参加するプロジェクトのブログ立ち上げなどを主導。 Rick Smolanの24hours in CyberSpaceの数少ない日本人被写体として現MITメディアラボ所長 伊藤穣一氏らと出演。活動タグは創出・スタートアップ・マーケティング・音楽・子ども・グローカル・共感 (現在、書籍「共感資本主義」執筆中)。書籍情報・ 詳しいプロフィールはこちら