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転職サイト「ビズリーチ」などを運営するビズリーチは2013年8月7日、人材業界に関連するデータ分析情報を活用したキャリア・マネジメント・システムの無償提供を開始した。
このシステムは会員20万人の属性、および採用企業/ヘッドハンターのビズリーチ利用状況を詳細に渡り解析したデータを活用するもので、これまで見えなかったキャリア動向全体を定数量的に把握することができるようになる。
写真(@maskin):左・代表取締役 南壮一郎 氏、右・取締役CTO 竹内真 氏
「転職、人材の商売は旧態依然で、採用企業とその中身はブラックボックス。自分の可能性を知り、市場全体の立ち位置を理解してキャリア形成する。採用企業と転職希望者をそんな単純なことができていなかったのです」。
そう話すのはビズリーチ 代表取締役 南壮一郎 氏。
「企業と求職者が直接やりとりすることは絶対にいいはずだし、インターネットを活用することの意義がある。人材業界のミスマッチを解消したい思ってきた4年間の一つの成果が今回のキャリア・マネジメント・システムと言えます。
仕組みは、映画にもなったマネーボールの世界そのものです。「肘ののび方がいいね」「選球眼があるね」という誰も数字をみない旧態依然で漠然としたものではなく、定量化することで、どういった年齢層の需要が大きいか、また、職務経歴書の中でどんな単語が企業やヘッドハンターに検索されているかを把握しレジュメを作成。ここまで全て無料で、実際に反応を見ることができるようなるんです」(南 氏)
具体的にはこうだ。
直近の情報から「業界・業種ごとに旬となっている転職キーワードをランキング表示」したり「年齢による需要バランスをグラフ表示」することで、キャリア形成の全体像を把握できるようになる。
それらの情報を元に、ステップ形式で設問に答えるだけで完璧な職務経歴書を作成できる「レジュメビルダー」を利用すると、それを経由して掲載された情報にはヘッドハンター等からオファーが入ってくる仕組みだ
ヘッドハンター情報を受け取ることまでは無料。転職希望でなくても、自分のキャリアのベンチマークを取るために利用することも可能になっている。
ビジネスパーソンのためになることを
これまでの人材サービスというのは、求職希望者は原則無料。採用企業側の紹介料で回転するビジネスモデルであるため、結局、紹介料や条件の良い案件が優先されてゆき、採用企業側のハッピーしか得られない構造があった。
「ビズリーチは求職者からお金をもらうビジネスをやっています。その代わり、ビジネスパーソンのためになることをやるわけです。(取締役CTO 竹内真 氏)
「今回提供を開始したキャリア・マネジメント・システムでは、ビズリーチ内での動向データを徹底的に解析し統計データとして活用できるかを追求しています。アルゴリズムは頻繁にアップデートしていますし、会員20万人および採用企業やヘッドハンターの行動データを詳細まで分析するわけですから、データ量的にはかなりものです。
また、ビズリーチは有料で積極的に転職活動をしている求職者がいるためその内容の価値もあると考えており、その強みを活かし、解析・統計により人材ニーズの現状を明確にしたいと考えているんです。それを無料で公開するのは日本はもちろん、世界でも類を見ないことですし、転職希望者ではなくてもビジネスパーソンのキャリア形成のために是非活用してもらいと考えています」(竹内 氏)
こうした活動のキーワードの一つとしてビズリーチ 南社長は、安倍内閣が掲げる「成長分野への人材集中」を挙げる。
「人材市場は、その時々で成長分野が出てくるのは当然ですが、これはではどこが成長分野かすら解らなかったんです。こうした流れの中で大切なのは、ビジネスパーソンが自分を知り、業界や業種、企業におけるニーズやホットな分野を明確にすることで、人材を新陳代謝をさせることなんです」。
「ビズリーチ」は、高額年収の人材をターゲットした転職サイトで、2009年4月にオープン。現在、会員20万人で、詳細情報登録者は12万人。採用企業の利用数は1000社、ヘッドハンター数は850人。
2012年10月にはアジア版「RegionUP」。2013年5月にはエンジニア向けのコラボレーションツール「codebreak;」をローンチしている。
【関連URL】
・ハイクラス転職、エグゼクティブ転職・求人情報サイトビズリーチ
https://www.bizreach.jp/
・[書評] ともに戦える「仲間」のつくり方【増田 @maskin】 | TechWave
http://techwave.jp/archives/bizreach_soichiro_minami_book.html
ビズリーチは、単体でこの1年で社員数が50人から150人に増えているなど勢いを増している。南氏は「雑誌や人材紹介業と比較すると圧倒的に後発ではありますが、転職市場をさらに見える化していきたい。現実を見せてあげるのが重要なんです」と語る。どう解析、統計するかだけでなく「どう人や市場を動かせるか」まで考えており、この取り組みが拡大することで人材市場ひいては業界全体が活性化する期待がある。
僕としてはこうしたビジョンありきのビジネスは好きだし、何より南さん率いるチームのバランスがとても良いように思える。応援したい。
変化し続ける高エネルギー生命体。8才でプログラマ、12才で起業。18才でライター。道具としてのIT/ネットを追求し、日米のIT/ネットをあれこれ見つつ、生み伝えることを生業として今ここに。1990年代はソフト/ハード開発&マーケティング→週刊アスキーなどほとんど全てのIT関連媒体で雑誌ライターとして疾走後、シリコンバレーで証券情報サービスベンチャーの起業に参画。帰国後、ブログCMSやSNSの啓蒙。ネットエイジ等のベンチャーや大企業内のスタートアップなど多数のプロジェクトに関与。坂本龍一氏などが参加するプロジェクトのブログ立ち上げなどを主導。 Rick Smolanの24hours in CyberSpaceの数少ない日本人被写体として現MITメディアラボ所長 伊藤穣一氏らと出演。活動タグは創出・スタートアップ・マーケティング・音楽・子ども・グローカル・共感 (現在、書籍「共感資本主義」「リーンスタートアップ」執筆中)。@宇都宮ー地方から全国、世界へを体現中。
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