新聞とモバイルの新しいカタチ＝Foursqureとカナダの地元紙が提携

　「ジオメディアは急成長する。新聞にとってチャンスですよ」と新聞業界在籍中に結構言ってきたんだけど、まったくスルーされてきたような気が・・・。

　ま、それは言いんだけど、カナダのフリーペーパー最大手のメトロが、注目のジオメディアであるFoursquareと提携したと発表した。（発表文。英文）

　Foursquareって、US風の位置ゲーっていうか、ゲーム感覚のローカル情報アプリって感じ。iPhoneでダウンロードすれば日本でも使えるようになっている。行きつけのおしゃれなカフェに行くたびにGPS情報取得してチェックインしていけば、その場所のmayerのバッチがもらえる。mayerって市長のことだけで、カフェの市長ってちょっとピンとこない。この言い方もローカライズの際に変更したほうがいいのかも。

　それで足繁く通うので、お店にとっては好都合。クーポンなんかも発行されて、お客も満足という感じ。あと、お店にチェックインしているという情報が友達に送られるように設定していると、「今からそこ行くよ」とか「そこのケーキを食べてごらん、おいしいから」なんてメッセージも送られてくるのだとか。（関連記事　注目位置情報サービスの「FourSquare」日本で利用可に＝狙うはローカル広告）

　Foursquareって結構、USでは人気になってるみたいで、カナダのメトロ紙もその人気にあやかって、みたいな感じがある。

　で、提携したことでどんなことが可能になるかというと、ユーザーがメトロをFollowすると、メトロが以前取り上げたことのあるレストランなどの近くに行くと、「このレストランはスパゲッティがお勧めですよ」などといったちょっとしたお役立ち情報が送られてくる。もっと詳しく知りたい、メトロの記事を読みたい場合はリンクをクリックすれば、メトロのサイト側にジャンプできるようになっている。

“Metro has always offered readers the right information at the right time and place, and Foursquare lets us take that to the next level,” said Jodi Brown, Marketing and Interactive Director for Metro Canada. “We’re now highlighting specific articles at the exact time and place that they’re most useful, which is in some ways a revolutionary idea.”

　メトロの幹部いわく「メトロは常に最適の情報を最適の時間に最適の場所で提供することをわれわれのミッションと考えてきました。Foursquareのおかげで、このミッションをさらに次のレベルに上げることができます。記事自体の価値が最も上がる時間と場所で提供できるようになるのです。これは革命的なことです」（意訳）。

　提携記念のプロモーションキャンペーンとしてメトロを配布している場所でチェックインすれば、メトロのバッチがもらえる（アプリ上で表示できるバッチ）そうな。それと同時にiPhone3GSが当たる懸賞に自動的に応募できるんだそうだ。

　恐らくFoursquareは、こうした感じでローカル紙とどんどん提携していくんだろうなあ。というより、いちいち提携交渉しないで、APIを公開して、あとはご自由に、みたいな感じで、ローカル情報の中核メディアの位置を目指しているんだろう。

　21世紀のメディアの定義では、Foursquareのようなソーシャルメディアがメディアになり、新聞、テレビ、雑誌、ラジオなどの20世紀メディアは、コンテンツ製造業者、ストレージ業者になっていくのだと思うし。（関連記事マスメディアはコンテンツ置き場になってしまうだろう）

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