3DモデルをVRに再現するビューワー「SYMMETRY ALPHA」の登場間近 スタートアップのDVERSE社 @maskin #vr

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「VR元年」として多くの話題を振りまいた2016年ですが、DVERSE社 CEO 沼倉正吾 氏は「まだまだ、これから」と言います。なぜなら、PS VRを含む多数のデバイスが登場したものの、コンテンツとして注目されるのは一部のゲームに限定される状況。「体験したい空間を選んで自由にブラウズできるような環境すら整っていないんですよね」と沼倉 氏は言います。

沼倉 氏率いるDVERSE社が取り組むのは、メタバース(ネット上の仮想空間)内に入ったユーザーが自由に空間を建造できるようになるツール「SYMMETRY(シンメトリー)」の開発。ミニチュアを作るように好きな建築物を自由に配置したり、その中に入り生活者のように歩き回る・・・そんな世界をVRの世界に構築しようとしている。(以下はサービスイメージ像)



前回、「SYMMETRY(シンメトリー)」プロトタイプ版の開発が進むDVERSEに話を聞いたのが2016年6月(「VRのアドビになる」DVERSE 沼倉正吾 氏が描くメタバース没入建築ツールの可能性 【@maskin】)。現在、“ビュワー” と “エディタ” に機能を分割し、間もなく「SYMMETRY(シンメトリー)ビュワー(仮名)」のβ版を公開すべく準備中とのことで、早速その機能を体験しにDVERSEのオフィスに足を運びました。

DVERSEオフィスの応接室を飾るメタバース風ペイントアート。ペインター・グラフィックアーティスト 吉田佳寿美 氏による作品

マニュアルレスで操作できるVR没入ビュワー

「SYMMETRY(シンメトリー)」は、メタバースの中に入って使用する建築ツールですが、今回体験したのは3Dデータをブラウズできるビュワーのβ版です。(筆者はVRヘッドセットで体験していますが、以下に続く画面はサブモニタのスナップショットにつき見にくい部分はご容赦ください。また、画面スナップショットはすべて開発中のものです)。

「SYMMETRY」は、3Dデータでは、現時点では無料の3Dエディタ「Google SketchUp」でデザインされたデータを取り込むことができるようになっています(将来は対応フォーマットは拡大)・

「SYMMETRY」にはファイラー(ファイルの読み込み用ダイアログ)が用意されており、VR空間の中で簡単にファイルを選択して読み込むことが可能です。多数の3Dモデルのファイルがプリセットされていますが、インターネット上に多数公開されているKPファイル(Google Sketchupで作成されたデータ)をダウンロードして読み込むことも可能です。

大きなファイルサイズのデータも高速に読み込めるのが一つの特徴。かなり大規模の空間でも、待ち時間を感じることもなく、プレイスペース(作業台)に3Dモデルが表示されました。

閲覧モードは「鳥瞰モード」と「没入モード」の2種類あり、レーザーポインターで立ちたい場所を指定すると実寸サイズで入り込むことが可能です。移動も現時点ではレーザーポインターを使用します。

3Dモデルに実際に入って見た時の没入感はかなりのもので、目の前にある家具などに触れたい気持ちに駆られます。

SKPファイルは建築のプロにかぎらず、アニメの巨大ロボットや戦艦、実在する駅などをファンが作り込んだものなどが多数公開されています。パソコンの画面で見ただけではわからない、その造形の魅力がVR空間で最大限発揮されるといっても過言ではありません。

また「SYMMETRY」には、表示している3Dモデル空間内に、印をつけたり、写真を撮影したり、メモを残すことが可能です。例えば、写真撮影モードではフレームが表示され、求める画角で記録することができます。かつ、写真には音声でメモを記録することが可能です。この音声は自動で文字として変換されます。VRヘッドセットを装着したまま、メモを残す工夫が随所に施されています。

「SYMMETRY」は将来、インターネットを通じて複数のユーザーが同じ空間を出入りできるようになる計画で、その際、ユーザー同士がコミュニケーションを取るためにVRモデルの随所に「いいね」などの記号が残せるようなツールも用意されています。

今後ですが、「SYMMETRY」は、まずこのビュワー「SYMMETRY ALPHA」を無料で全世界に公開する計画です。その後、エディタ機能などを展開する計画ですが、まずは「VR界において、3Dモデルを誰もが簡単に開いて体験できる定番ツールの位置づけを確立したい」(CEO 沼倉氏)とのことです。

【関連URL】
・SYMMETRY | VR Architectural Design Software
http://www.symmetryvr.com
・DVERSE | バーチャルリアリティ コンテンツ開発 VRからARまで
http://dverse.me
・「VRのアドビになる」DVERSE 沼倉正吾 氏が描くメタバース没入建築ツールの可能性 【@maskin】
http://techwave.jp/archives/dverse-symmetry-21914.html

蛇足:僕はこう思ったッス
maskin-bit-2016 これぞVR
おそらく「SYMMETRY」を体験した人は「もはやツールの機能どうこうではない、3Dモデルの良さを最大限に体感するすべてがここにある」と感じるだろう。多数のVRゲームやVRムービーが登場しており、どれも力作なのだと思うが、VRの魅力を存分に知り得るには、もっともっと3D空間をなめ尽くしたいと思うのは筆者だけではないはず。その欲求を叶えるのが「SYMMETRY」なのだと思う。ちなみに、DVERSEでの体験中、自分の青春の一部だったアニメ作品の主役である巨大ロボットの背中や巨大戦艦のブリッジに立ったがその臨場感は言わずもがな感動的だった。CEO沼倉氏とは「例えば、ロボットのコクピットに乗った状態で戦闘を体験できるオプションがあったら」なんて話をしたが、それならお金を払ってもやってみたいと思ったっす。
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Editor In Chief at TechWave.jp
1990年代初頭からソフトからハードまで50以上のスタートアップ立ち上げを国内外で経験。平行して雑誌ライターとして疾走。シリコンバレーでガレージベンチャーに参画後は、国内でネットエイジを筆頭にスタートアップに多数関与。ブログやSNSの国内啓蒙、ソニーの社内イノベーション事業など関与。通信キャリアのニュースポータルの立ち上げ期の編集デスクとして数億PV事業に育てた後、TechWaveにジョイン。世界最大のグローバルIT系メディアであるスペインの「Softonic」の元日本編集長
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