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情報メモサービス「Evernote」が2016年6月24日に、サービス開始8周年を迎える。
200か国以上で使用されており、まもなく2億ユーザーを達成する見込み。ノート数は50奥を突破。対応言語は31で。半数以上が英語以外。7か国に300名の従業員を抱えている。
8周年を前に2015年7月27日にEvernote CEOに就任したクリス・オニール(Chris O’Neill)氏が初来日。Evernoteの成長と今後のビジョンについて説明をした。
就任前はGoogle 社にて約10年に渡りGoogle XやGoogleカナダ支社の責任者としてリーダシップを発揮してきた人物。「Evernoteは脳の拡張できればいいという考えで始まりました。Evernoteの将来は、いかにアイディアをキャプチャし、保護し、はぐくみ共有できるかということにかかっている」と説明する。
鍵となるのは以下の3点で、それらを満たすプロダクトづくりにフォーカスしていくという。
1.ナレッジ型経済の進行・・・世界に2億のナレッジワーカーがおり年々増加傾向にある
2.スマホ利用者の拡大・・・世界的に普及している。
3.情報過多・・・人間の頭で対応しきれなくなってきている。情報量もそうですが、情報チャネルも増加している。満足できるツールが必要。
特に注力するのは「覚える」から「考える」へのシフト。キャプチャしたアイディアを補完し、そのポテンシャルを解き放ちチームで活用するというもの。
基盤となる技術に、AIや機械学習など利用することで、コンテキストの高機能化やキーワード検索、画像などの自動タグ付けなど、キャプチャしたデータを自動で構造化データを作成するなどの展開を検討しているという。
また、事業的には、業務法人向け市場の開拓とグローバル市場開拓をパートナーシップを追及する流れで展開するという。
日本とEvernote
そうしたEvernoteの今後の展開において重要になるのが、日本での成果だという。
「日本はEvernote社の初めての海外拠点として2010年に設立。16冊以上のEvernoteについての書籍が販売されており、コミュニティやアンバサダー、ユーザ数、ロイヤリティすべてをとっても日本は世界中で最も成功している」(クリス・オニール氏)という。
現在、日本のEvernoteユーザーは900万人。中国やブラジルの勢いには勝てず、現在世界第四位になってしまったが、売り上げは米国に続き2位につけている。
成長しているのは中国・インド・インドネシアで、ユーザーの35%はAPAC(日・中・APAC)。日本は5%(4位)、中国10%(2位)、その他APAC20%となっており、売り上げトップ10中5か国がAPAC(日本・中国・オーストらリア・韓国・台湾)で構成されている。
この流れを受け、日本支社は中国を除くAPACを2016年1月から統括することになり、日本支社代表 井上健 氏は日本・アジア太平洋地域代表に就任した。
日本は、セールスパートナーとの連携やデバイス連携、直近だと取り込んだ名刺をセールスフォースに取り込むなど日本発のビジネスを創出してきた。こういったこれまでの実績を他国に移植してゆくのが日本支社のミッションとなる。
今後の展開としては井上氏は、若年層へのアプローチとして教育機関向けの販売を強化すると共に、リセラーやパートナーとの連携を強化。販促策としては、追加でアフィリエイト制度や決済手段の多様化や価格の地域別化をQ3から展開するという。
これまでのEvernoteでは、用途ごとにアプリをリリースする流れがあったが、今は本体アプリ一つに集約される流れになりつつある。井上氏によると「新CEOとなる組織の体制も大きく変わった。これまでプラットフォームのプロジェクトマネージャーがそれぞれの思いで機能を追加するなどしてきたが、今やPCやスマートフォンなど複数のデバイスを利用するユーザーも増え、それぞれのデバイスやプラットフォームで統一した使用体験を提供できることが重要になってきた」と「まだ、悩みながら」とは付け加えながらも方向性が見えつつあることを示唆した。