20世紀の日本の企業の競争力の源泉が改良・改善力だとすれば、21世紀の企業の競争力はデータ解析を通じたコミュニケーション力になる。経営者の経験と勘をベースにした企業経営から、顧客とのコミュニケーションの中でデータ解析を通じて顧客ニーズを把握するというデータ解析ベースの企業経営に移行していくからだ。なぜならデータ解析ベースの経営に移行可能なまでに情報技術は進歩を遂げたし、今後ますます進歩するであろうからだ。データ解析ベースの経営が今後、主流になるのであろうことは間違いないだろう。
顧客の声をくみ上げるデータ解析技術の導入は、まずはコールセンターによせられた意見のテキストマイニングという領域から始まった。多くの企業は当初、コールセンターを単なるコストセンターとみなしていたのだが、やがてコールセンターこそ企業の競争力の源泉になることに気づき始める。コールセンターに寄せられる意見をもとに改良を加えた商品が、非常によく売れるようになったからだ。
顧客の声マネジメントによると、一部企業はコールセンターに寄せられた顧客の声をテキストマイニングで解析し、そこで得た知見を社内流通させ、業務改善、商品改善につなげる体制作りを進め始めているという。
アーカイブ 8月 2008
デジタル看板というかデジタルサイネージ事業に米アップルが参入したもよう。米アップルのサイトに発表文はなかったが、デジタルサイネージ専門のオンラインメディア英aka.tvが「Apple Start To Flex Their Muscles In The Digital Signage Market」と報じている。
以前取材したことのあるManolo Almagro氏が今朝、「以前アップルが参入を検討しているといううわさがあるって言ったでしょ。実際に動き出したみたいだよ」とメールで教えてくれた。
以前Almagroさんは次のように語っていた。
また消費者向けの機器を利用するという手もあります。消費者向け製品は洗練されていますし、価格も低下傾向にあるので、都合がいい。アップルコンピュータ
がAppleTVの開発者向けAPIをデジタルサイネージ向けに公開するのではないかといううわさがあります。確かにいい話だと思います。AppleTV
は、ディスプレー以外のデジタルサイネージの中核部分に必要な部品をすべて備えています。イメージ、動画、テキストメッセージを反復表示するプレイバッ
ク・エンジンを始め、時間通りに表示するスケジューラー、基本ソフト、ファイル配信機能など、AppleTVはすべて搭載しているんです。
古く
からデジタルサイネージ機器に取り組んでいる会社は、これまでに開発した特許、ノウハウが資産としてあるので、それを捨てるわけにはいかないでしょうが、
これから参入する会社であれば、システムを1から開発するよりAppleTVを買って公開APIに基いてシステムを構築するほうが安くつきます。わたしな
らそうします。
それにデジタルサイネージの課題の1つにメンテナンスがあります。機器が大きいので郵送するわけにもいかず、技術者を現場に派遣
しなければならない。その費用を考えると、新しいAppleTVを買ったほうが安くつく。ネジ回し1本でAppleTVを取り外せるようにしておけば、素
人でもAppleTVを交換するだけでメンテナンスが可能になります。
前回に引き続き株式会社プラスアルファ・コンサルティングの「見える化エンジン」が解析してくれたブログのデータを基にブロガーの間でのiPhoneの評判をみてみたい。
古くはマイクロソフトの「ウィンドウズ95」の発売など、これまでに新商品発売の「お祭り」をいろいろ見てきたが、今回の日本でのiPhone3G発売前後のお祭り騒ぎは、メーカー側が莫大なキャンペーン費用を投下したり、マスメディアが主導して引き起こしたものではない。それが、これまでの新発売祭りと大きく異なる点だ、と個人的に漠然と感じていた。
そこで株式会社プラスアルファ・コンサルティングにテキストデータ解析ツール「見える化エンジン」を使って、iPhone発売前後のブログの書き込みを解析してもらった。それにPTP社のテレビ放送の報道データと比較したのが次の図。見ていただいたら分かるように、明らかにブログが報道に先行している。
9月末刊行予定の拙著「次世代マーケティングプラットホーム」の中でウェブ解析を取り上げて以来、ウェブ解析周りの話が気になってしょうがない。
米人気ブロガーのスコーブル氏がウェブ解析の専門家Avinash Kaushik氏にインタビューした映像がアップされている。
幾つか気になる点をメモ(および雑感)。
【グーグルのinsights for search】
特定のキーワードを入力すると、そのキーワードを使った検索件数の推移がグラフで表示される。2つ以上のキーワードを比較することも可能。
実際に試してみた。
地域口コミ情報の30min.(サンゼロミニッツ)が無料iPhoneアプリをリリースした。なんでもApp Storeの無料アプリランキングの3位に入ってるらしい。スゲー。
30min.って始まったときからちょっと気になっていた。仕組みはブログを中心に巡回してタウン情報に関連ありそうなエントリーの一部を集積するというものらしい。(違うかな。詳しくは、「30min.とは」)「勝手に利用しないで!」という人もいるだろうけど、そういう場合は削除してくれるそうです。まあほとんどのブロガーはウエルカムだと思うけど。
このやり方って面白い。ブログを巡回していろいろなアグリゲーションサイトが構築できるんじゃないだろうか。例えば、就職活動サイトであったり、IT関連情報サイトであったり、とか。
ぼくも、30min.に参加したいんだけど、この「IT潮流」はいちおうITに関連する情報を中心に取り上げているので、プライベートな話題はあまり取り上げないことにしている。その代わりTimelogでは一人飲みの様子なんかもリアルタイムでアップしているので、行ったお店に関するエントリーも多い。こうしたミニブログのエントリーを30min.にアップできないのかなあ。ちょっとテストしてみようと思う。
テクノロジーに関する情報でも何でもないんだけど、僕が聞いているpodcast「This Week in Tech」の中で、大阪の株式会社「麦の穂」の経営するシュークリームのチェーン店「ビアード・パパ」の話が突然出てきたので、びっくりしてしまった。Mahaloの創業者のJason Calacanisなんかも絶賛している。
僕もビアード・パパのシュークリームってクリスピーでおいしいなと思っていたんだけど、まさかシリコンバレーでもブームになろうとしているとは。podcastのタイトルも「Beard Papa’s Cream Puffs」となっている!「ビアード・パパのシュークリームは、クリスピー・ドーナツの次にくるブームだ」なんて発言も。すげえ。
また食べたくなってきた。
半年ぶりのポッドキャスト!!
この半年間「もうポッドキャストやめちゃったんですね」といろいろな人から声をかけられた。やめたわけじゃないんだけど、英語の取材が多かったり、次の本の執筆に時間をとられたりしていた。次の本の執筆も終わり(ちなみにタイトルは「次世代マーケティングプラットホーム」に決まりそう。本日、編集者と最終打ち合わせです)、これから新しいテーマを探して取材に力を入れたいと思います。
ということでポッドキャスト再開です!といっても10月でココログのポッドキャストのサーバー台が10万円になってしまうので、10月いっぱいでポッドキャストを本当にやめるようになると思いますけど。
さてひさびさのポッドキャストのゲストは、株式会社ユビキタスエンターテインメントの清水亮さん。独立行政法人情報処理推進機構から、天才プログラマー/スーパークリエイターとして認定された人物だけど、ほかの天才プログラマーに認定された人同様に、話がむちゃくちゃおもしろい。
このエントリーのタイトルに広告を持ってきたのは、僕が最近広告関連の取材を続けてきたから、いまだに広告という切り口が気になるから、ということだけです。ほかにもいろいろ面白い話が満載です。
仕事柄、できたてホヤホヤのベンチャー企業の創業者や、起業を夢見るアイデア豊富な若者と接することが多いが、これは、と思う人物に出会うと「IVSのローンチパッドに出てみたら」と薦めることにしている。
IVS(Infinity Ventures Summit)は、インフィニティ・ベンチャーズLLPという独立系のベンチャーキャピタルが主催するテクノロジー・カンファレンスで、以前はNILSと呼ばれていたもの。そのカンファレンスの中のプログラムの1つに「ローンチパッド」というものがある。簡単に言ってしまえば、ベンチャー企業の「スター誕生」のようなもの(ちょっと例が古いか・・・苦笑)。
ベンチャー企業が自慢のテクノロジー、サービスを数分間のプレゼンで紹介し、業界キーマンの審査員が投票で最優秀賞を決めるというもの。その場でベンチャーキャピタルからの出資が決まるわけではないが、当然、内外のベンチャーキャピタリストや企業家から注目を集める結果になり、それを受けての出資や事業提携につながる可能性は十分にあるのではないかと思う。
日本には技術力があるが、実際のサービスとして育てるための土壌ができていない、といわれる。このローンチパッドのような仕組みがベンチャー企業の育成につながってくれれば、と思っている。
そのIVSのローンチパッドへの出場申し込みの受付が始まっている。技術やアイデアに自信のあるベンチャー企業は、参加してみてはどうだろうか。
詳細はインフィニティ・ベンチャーズ小林雅さんのブログで。