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今週最もアクセスが多かったのは増田さんの記事「総務省がSIMロック解除を検討へ 【増田(maskin)真樹】」でした。PVは、Google Analyticsによると2万2667PV、TwitterのRTは276回、はてなブックマークも79のユーザーからブックマークされています。大ヒットでした。
僕自身はSIMロック解除の意味するところがよく理解できていないので、あまり得意でない分野の記事です。やはり複数のブロガーでブログメディアを運営するほうが、いろいろな記事が扱えていいなと思います。
意味するところが理解できていない、というのはSIMロック解除には賛否両論があって僕自身、自分のはっきりした見解を持つまでに至っていない、という意味です。もちろんSIMロックがかかっていないほうが、いろいろなキャリアを使うことができるので一見ユーザーにとってよさげです。メーカーもいろんなキャリアに対応できる機種を作れるのでいいんじゃないかと思えます。でも本当にそうなのかどうか。それが僕にはよく分かりません。SIMロックの問題ではないかもしれませんが、iPhoneは米では特定のキャリアでしか使えない。ユーザーからは苦情が出ているのですが、Appleの中の人は特定のキャリアとの単独契約にしたことがよかった、と語っています。何がよかったのか分からないけど、特別にいろいろ便宜を図ってもらえたのかもしれません。
増田さんはSIMロック解除をよしとする立場から書いていて、Twitter上では、それを絶賛する声のほうが圧倒的に多かったのですが、一部批判的な声もありました。批判する人の意見がもう少し聞きたいと思いました。
まあキャリアと総務省の一連のやり取りはこれまでもアチラコチラで出ていて、両方の意見が十分出ているのかもしれません。でもこうしたものを読んでも、本当のところはどうなのかなかなか分からないです。経済学や経営学といった大きな視点から論じてもらったものを読みたいと思います。どなたかご存知でしたら、コメント欄ででもお教えいただければありがたいです。
あとは「「ロケットのように速いOperaブラウザ」がiPhoneに=Appleは認可するか?【湯川】」、「悪口言ったらiPhoneアプリがAppStoreから消えた?【湯川】」といった記事へのアクセスが多かったです。
アクセスで言えば4番目なんですが、今週のピックアップのタイトルに選ばせていただいたのが、「iPadに期待する米出版業界、期待すれば裏切り者扱いされる日本の業界【湯川】」という記事。
なぜ今週のピックアップに選んだのかと言うと、記事掲載後にいろんなところでいろんな追加情報が出たからです。ソーシャルメディアと従来型マスメディアの最大の違いは、前者は記事が起点であり、後者は記事が終点である、ということだと思います。この記事も起点となって、ソーシャルメディア上でいろいろな情報が集まりました。その後の情報をまとめるためにも、もう一度取り上げたいと思います。
僕の記事の中では、週刊ダイヤモンドという特定の名前は出していません。なぜ出さなかったのかというと、自信を持って出せるほどの情報を持っていなかったからです。自信もないのに特定の人たちに批判的な記事を書くわけにはいきませんでした。ただこの記事が起点になって、いろいろな情報がソーシャルメディア上で出てくることによって事実が組み立てられていけばいいのにな、とは思っていました。そして実際にそうなりました。
僕はTwitter上で、この媒体の頭文字を書きました。ただ打ち間違って総合ビジネス誌Pとしてしまいました。すぐに「Dだったかも、ごめん」とつぶやいたのですが・・・。でもPとしても、Twitter上では反応がほとんどありませんでした。ところが別の人が「これは週刊ダイヤモンドのことですよ」とつぶやきました。そうするとその情報が次々とRTされて行きました。
Twitterで話題になっていたので池田信夫さんが週刊ダイヤモンドの消えた特集 – 池田信夫blog – BLOGOS(ブロゴス)という記事を書かれました。
きのうの電子出版シンポジウムの後の懇親会で話題になり、すでにツイッターなどでも噂になっているので、複数の編集部員から聞いた事実関係だけを(固有名詞は略して)記録しておく:
池田さんはこの特集へ協力されていたようで、特集が取りやめになれば編集部員は当然、池田さんにも伝えなければなりません。その内容を公表されているのです。
池田さんは次のようにまとめておられます。
こうしたタブーを破って電波利権などのテーマに挑んできた週刊ダイヤモンドも、自分の業界のタブーからは自由ではなかったわけだ。これによって営業は救われるかもしれないが、ジャーナリズムとしての週刊ダイヤモンドの信用は決定的に失われるだろう。ただ考えようによっては、この事件は、日本の企業でなぜイノベーションが生まれないのか(あるいはつぶされるのか)を、特集記事よりはるかにわかりやすく示してくれたような気もする。
商業ジャーナリズムが衰退していく中で、事実や知見はこのような形で複数の情報源からの情報を基に形成されていくようになるのだなと改めて思いました。「ソーシャルメディア時代には記事を起点にすべきだ」ということはなかなか既存ジャーナリズムの中の人たちには理解してもらえないのですが、こうした流れが今後主流になることは間違いないと思います。