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Facebookの次の覇権争いの最有力候補の1つである中国騰諮(tencent テンシェン)のモバイルSNS「WeChat」が、iPhone版アプリの新バージョン4.3をリリースした(2012年9月5日付発表文)。パソコンで見ているウェブ上の画像を、スマートフォンを一振りするだけでスマートフォン上に取り込めるShake Downなどの新機能を搭載してきたほか、Facebookの写真アルバムからの写真の取り込みも可能にした。
先行するSNSとは連携しない戦略のLINEと、積極的に連携しユーザーを取り込もうという戦略のWeChat。この戦略の違いが、今後のシェア争いにどういった影響を与えるのだろうか。
今回のバージョンアップではモーメンツ(Facebookで言うところのTimeline、LINEで言うところのホーム)上での写真の公開範囲の設定が可能になったり、親しい友人とのチャットを常に一番上に表示するように設定することが可能になった。また絵文字・スタンプをウェブサイトからダウンロードできるようにもなった。
こうした追加機能の中で目玉となるのがShake Down。パソコン上で開いているページの画像を、スマホを一振りするだけでWeChatに取り込み、モーメンツに貼り付けたりチャットで使用できるようになった。使い方は以下の動画で説明します。
アドオンのページはこちら。
Facebookのアルバムから簡単取り込み
またFacebook上にアップしてある自分の写真を、簡単にWeChatに取り込めるようになった。
もちろんそのためにはFacebookとのID連携が必要。Facebookユーザーを取り込んでいく考えのようだ。
ここはLINEの戦略と大きく異る。LINEは主に電話番号をベースに友人をつなげていく仕組みになっており、PC上の先行するSNSとの連携を積極的に模索していない。本当に仲のいい友人関係(リアルソーシャルグラフ)の構築にこだわっているためだ。
本当の仲のいい友だち関係(リアルソーシャルグラフ)の中でのやり取りが、ネット上のどこのだれだか分からない人との関係(バーチャルソーシャルグラフ)よりも、圧倒的に頻度が高く、また影響力が大きいとみられるので、今後の広告・マーケティング、販売促進施策を有効にするにはリアルソーシャルグラフを形成することが重要である、という考え方だ。
WeChatはそこにはこだわらず、とにかく多くの人とつながるプラットフォームを形成し、その上で情報公開の範囲を制御できるようにすることでリアルソーシャルグラフを形成しようという戦略のようだ。
果たしてどちらの戦略が奏功するのだろうか。
中国で10本の指に入ると言われる天才プログラマーをトップに、数百人の開発者を抱えるWeChatチーム。6月に取材したときにはマネタイズにはまったく興味がなく、ユーザー数を伸ばすことにも興味がないと語っていた。
「今はとにかくいい機能を開発するだけ」。いい機能が搭載されれば、自然とユーザー数は伸びるし、ユーザー数が伸びればいずれマネタイズが可能になる、という考えだ。(関連記事:LINE世界展開の前に立ちはだかる中国WeChatの実態【湯川】)
その言葉通り、ものすごいペースでどんどん新しい機能を投入してきている。
知らない間に日本語にも対応しているし、一部APIの公開も始まっているようだ。
関係者の話によると、日本市場にも力を入れようとしているみたい。
ユーザーとしては、WeChatとLINEがいいライバル関係になって機能がどんどんよくなっていっていくので、いいことだと思っています。