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イギリスのベンチャーキャピタルAtomicoは2017年2月16日、日本円で約870億円($765mil)という巨大規模の第四号ファンドを設立したと発表しました。投資レンジはこれまでと同じシリーズA以降。
Atomico代表のニクラス・センストローム(Niklas Zennstrom)氏は、かつてKaZaaを開発して世界を賑わせた後にSkypeを創業した生粋の起業家。Atomicoを2006年に立ち上げて以来、単なる投資事業にとどまらず、起業家としての目線で熱心に指導や支援を続けています。
Atomicoチームは40名以上で、世界で急成長を遂げたFacebook、Google、Uber、Virgin、Spotify、LastMinute、そしてSkypeといった企業で深い専門知識をもつチームがそのDNAを継承しているとのことです。
Atomicoチームの一員で日本の代表格として活動する岩田真一 氏は言います。
「基本的にはこれまでと同じストーリーで欧州フォーカスで他の地域はよい機会があれば投資をするというスタンスです。日本に関してもこれについては変わりはありません。
今回ファンドに対する投資家の多くはAtomicoはもとより欧州ファンドへの投資も初めてという方々で締めており、企業、年金、政府系ファンド、起業家、保険、ファミリーオフィス、ファンド・オブ・ファンズなど幅広い職種の方で構成されています」(岩田氏)
日本から見るとEUのスタートアップシーンは、一部の企業や一部の地域の状況がフォーカスされるだけで見えにくい状態ですが、Atomico社によると470万人のプロ開発者がおり、EUのMBA卒業生の20%が技術者になるとのこと。この数年は特に技術力の高まりに注目が集まり、それがこの巨額ファンド組成へとつながったと考えられます。
Atomicoは、これまでRovioやSupercell、Skypeなどを筆頭に多様な分野に投資をしてきました。日本ではスマートニュースやGengo、後にリクルートに売却したQuipperへの投資実績があります。
【関連URL】
・Atomico IV: $765m for Europe’s most ambitious founders
http://www.atomico.com/news/atomico-iv-765m-for-europes-most-ambitious-founders
EU
僕は2015年頭から2016年末までスペインのメディア企業に所属していた。特にバルセロナには非常に優れた技術者が沢山いた。ネットワークやセキュリティ、Makers,IoTさまざまな分野のプロがいる印象だ。地場のスタートアップシーンというといわゆるお祭り騒ぎというよりは、こうしたプロのプロである技術者が世界に向け奮闘しているという印象だ。初めから世界トップを狙っていくので、地場で創業せずシリコンバレーで経営者になる人も多かった。ただ、そういう状況だから、EUの企業にアクティブに投資家が接触しているというイメージがなかなか持てなかったのだが(実際に現地のファンドはロングホールドのところが目立った)それが変わりつつあるということだろう。