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ロシアからSAMI社の牧野寛さん登場
編集長のmaskinです。先日2億MAUを達成したメッセンジャーサービス「Telegram」が、皮肉にも誕生の地ロシアで政府による規制を賭けられるという事態に陥りました。一体どんな状況なのか、ロシアで日ロビジネス支援事業等を手がけるスタートアップSAMIの代表牧野寛さんに登場していただきます。
SAMI 代表 牧野寛さん
東京外国語大学ロシア語卒。学生時代から日ロ学生コミュニティの立上げ・運営を行う。楽天株式会社にてEコマース事業部のビジネスデベロップメントに従事。サンクトペテルブルクにて、日系企業のロシア進出をサポートした後、2017年SAMIを起業。
Telegramへの規制がロシア国内で始まった
今までロシア国内ではLinkedInや日本のLINEがブロックされてきましたが、今回のTelegramストップは今までとはちょっと色が違います。
LINEなどは事業者として国家レジストリへの登録自体を行わなかったことによるものだったのですが(参考「ロシアでLineが使えなくなった本当の理由とは」)、Telegramの場合、レジストリ登録は行っていたものの政府が「秘密鍵(暗号鍵)」の提供を求めたことに応じなかったことが直接の原因と考えられます。(編集部注:Telegramは暗号化によってメッセージのやりとりを第三者にみられないようにしていますが、秘密鍵を手にすると全て筒抜けになります)。
Telegramは、テロ組織に関する情報は別途伝えるとロシア政府に伝えたそうですが、ロシア連邦通品局は全ての情報にアクセスしたがっていましたね。
Telegramはロシア人が開発
Telegramは、もともとロシア版Facebookともいわれる「Vkontakte(ВКонтакте: Добро пожаловать)」の創業者であるパーヴェル・デューロフ(Vkontakte)氏が開発したものです。
実は、彼はVkontakteに対する政府介入に嫌気がさして、Telegram作ったと言われています。それなのに、またかって感じなんでしょう。
やはり、ICOプロジェクトはTelegramでチャンネルを作ってコミュニティマネジメントしているところが多かったですし、おそらく今のまま行くとロシア政府は取引所を介さない仮想通貨のやりとりは全面的に禁止して行く方向性なので、そういう意味でもTelegramをコントロール化に置きたかったのかもしれません。
今はVPN経由で引き続き利用できますが、ロシアでは昨年からVPN業者への規制も強まっていて、ブロックしているサイトへのVPN経由のアクセスも取り締まられる方向性です。(SAMI 牧野寛氏)
【関連URL】
・[公式] Telegram Messenger