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ロシア版シリコンバレー「スコルコボ(Skolkovo)」は、ウリヤノフスク州の都市開発プロジェクト「テクノキャンパス2.0」に注目している。
スコルコボフォーラムのゼネラルディレクター、エカテリーナ・イノゼムツェバ氏は、ウリヤノフスクがビジネス支援や若い企業のサポート、スタートアップのための有利な条件を提供しているとして、投資誘致の観点から、同州を高く評価している。
ウリヤノフスクでは、ビジネスインキュベーター、中小企業支援ファンド、コワーキングスペースなどの組織がうまく機能しており、今年スコルコボで開催されたスタートアップイベントStartupVillage 2018には、同州から、モスクワ北部の風力発電所における除氷システムを開発しているチームが参加した。
Technocampus2.0は、ウリヤノフスクにおけるイノベーションクラスタ形成の為の、3つの戦略プロジェクトのうちの1つである。イノベーションクラスタは、ハイテク企業のために有利な経済環境を整備し、地域のイノベーションの可能性を促進する。ここでは、高い生活の質が保証され、投資家とイノベーターにとっては魅力的な条件が提供される。すでにクラスタ内では様々な協業が始まっており、”Boiling Point”というコワーキングスペースも作られている。
今後については「テクノキャンパス スクール」という就学前から高等教育までの学生を教育し、ハイテク企業に優秀な人材を提供するというプロジェクトについても検討されている。
【関連URL】
・[公式] テクノキャンパス2.0
・[記事] В «Сколково» высоко оценили ульяновский проект «Технокампус 2.0»
蛇足: 僕はこう思いました
ウリヤノフスクはロシアの地方都市の中では投資環境が良い地域と言われています。大幅な減税政策や、自治体の積極的な投資誘致によって、多くの外資系製造業が進出しています。日本からはブリジストンが進出していますね。ウリヤノフスクはイノベーションクラスタを建設し、企業間の連携や競争環境の創出を行なっていくのですが、「テクノキャンパス2.0」はその第一段階。すでにあるナノ素材センターを中心に人材育成、研究開発、スタートアップ支援を進めていきます。このモデルはモスクワ・スコルコボ、カザン・イノポリスと非常によく似ています。ロシアではスコルコボがフォーカスされがちですが、地方都市も同様に起業家支援のインフラ構築を進めており、中には海外展開を進めるような尖ったスタートアップも出てきています。