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NHN JAPANは2012年11月16日、スマホメッセンジャー「LINE」の登録ユーザー数が、世界の全てのプラットフォームを合わせて7500万人を突破したことを発表した。日本のユーザーは3496万0391人。
しかしながら、この1~2ヶ月、DeNAが高品質通話をアピールした「comm(コム)」を投入したり、カカオジャパンがヤフー!と提携したり 、古参のメッセンジャーアプリ「Whats App」が世界で急成長を遂げ日本でもランキング上位に入ってきた。中国内陸が中心のWeChatを含めれば、世界でLINEの競合が一斉に力を強めてきた状態だ。
「LINEはどうなるか?」そんな疑問に、キーマンであるNHN Japan ウェブサービス本部 執行役員/CSMO 舛田淳氏は「想定済み」と応える。
年内1億ユーザー達成なるか?
「私たちが、サービスを思いついた時点で、“他社も同じことを考えている” と思うようにしています。LINE自体は、3.11の発生がきっかけでスタートしたものですが、直後のタイミングでスタートが切れ先行することができたので、他者が予算をかけて参入してきた現在においても、非常に良い立ち位置にいると思います。
逆に追い風になっていると感じるのは、LINEを意識してきた他社が増加することで、スマホメッセンジャーという大カテゴリーが世界中で定義されてきたことです。これまでは、スマホがあって、メッセンジャーがこうでと説明しなければならなかったが、世界中の企業が、その価値を理解して話を持ちかけてくれるようになっています」(舛田氏)。
LINEは、スタート時からノンプロモーションで成長を遂げてきた。一時たった3回のテレビCMとキャンペーン(これは失敗)を実施するものの、基本はユーザーの力が成長を支えてきた。
競合が力を付けてきていても「基本性能に手を抜くわけにはいかない」とアプリ本体はもちろん、音声通話チームも日々成長し、ユーザービリティの検証も徹底して行なっている。
しかし、競合は世界に広がり、国を越えて戦い続け、このまま目標の年内1億人を達成するには、当初から定義してきた「朝まで泣きながら無料で通話&チャット」というメッセージは修正しなくてはならないのではないだろうか?
その問いに舛田氏は「メッセージはまったくぶれていない」と言う。
「現在、LINE 公式アカウントやChannelを各国で展開するために、現地スタッフが働く事務所などが増えつつありますが、LINEの世界進出のために拠点を置くということは考えていません。あくまで日本で仮説検証してうまくいった現在のメッセージを変えずに、他国にも適用して展開していく考えです。
ただ、このままでの延びでは1億は難しいかもしれません。そのためには、できることを次々に投入する必要があると思っています。この市場を使い捨ての焼畑にしてはいけない、“小さなインターネット”としてのエコシステムを維持しつつ、あらゆる手を一つ一つつくしていきたい」(舛田氏)。
スマホのポータルを実現しようとするLINEは、今後どんな施策を展開するのか。1億ユーザー達成へのデッドラインはもう目の前に迫っている。
・11/21 豪華ゲスト登壇! スタートアップのための定例ネットワーキングパーティ「club VANGUARD」
・11/27 オープンイノベーションのためのスタートアップショーケース「Penta Tech Meeting」
【関連URL】
・LINE登録ユーザー数、世界7,500万人を突破!スペインと南米のユーザー急増でAppStoreランキング1位を獲得
http://lineblog.naver.jp/archives/20218658.html
・DeNAもLINE型アプリ投入、高品質通話&写真が得意な「comm(コム)」 【増田 @maskin】
http://techwave.jp/archives/51766573.html
・ヤフー!がカカオジャパンに資本参加、全世界6500万ユーザー「カカオトーク」を共同展開 【増田 @maskin】
http://techwave.jp/archives/51766068.html
・スマホ時代のポータルへ…「LINE Channel」を7月上旬スタート 、世界4500万人にゲーム・クーポン等提供 【増田 @maskin】 #LINEjp
http://techwave.jp/archives/51752275.html
・「LINE」がプラットフォーム化、ゲーム展開も【増田 @maskin】#IVS
http://techwave.jp/archives/51749709.html
・急成長「LINE」の真実、一周年記念独占インタビュー 【増田 @maskin】
http://techwave.jp/archives/51742831.html
既に “スマホメッセンジャー” という一大カテゴリが形成されたのは確実。なんでPC系メッセンジャーだった「WhatsAppMessennger」が今になって世界ヒットしてきたかというと、やはりスマホモバイルに最も必要なカテゴリに属していたから。スマホモバイルの成長によってヒットとなったと理解するのが適切だろう。
僕がLINEを当初から注目する理由は、古いウェブエコノミーにそもそも属してないということ。コンセプトからサービス設計、あえてクローズドな世界にしてきたことなど。マーケティングメッセージと創造性がシンクロしている。その上で、スマホのポータルという領域に邁進しているため、競争力は必然的に備えていると思うからだ。
では、今後どうなるか? おそらくスマホメッセンジャーカテゴリーはより定義が収斂され、旧型のままのメッセンジャーはその流れにつていけなくなるだろう。スマホポータル領域に到達できるようなプラットフォーム化が実現できなければ、次第にスマホのメイン市場からは追い出されることになると思う。それは、ユーザー数が多いWeChat、そしてFacebookを含めて言えることだと思う。
夢を叶える技術者。8才でプログラマ、12才で起業。18才でライター。道具としてのIT/ネットを追求し、日米のIT/ネットをあれこれ見つつ、生み伝えることを生業として今ここに。1990年代はソフト/ハード開発&マーケティング→週刊アスキーなど多数のIT関連媒体で雑誌ライターとして疾走後、シリコンバレーで証券情報サービスベンチャーの起業に参画。帰国後、ネットエイジ等で複数のスタートアップに関与。関心空間、@cosme、ニフティやソニーなどのブログ&SNS国内展開に広く関与。坂本龍一氏などが参加するプロジェクトのブログ立ち上げなどを主導。 Rick Smolanの24hours in CyberSpaceの数少ない日本人被写体として現MITメディアラボ所長 伊藤穣一氏らと出演。活動タグは創出・スタートアップ・マーケティング・音楽・子ども・グローカル・共感 (現在、書籍「共感資本主義」執筆中)。書籍情報・ 詳しいプロフィールはこちら