ユーザーが作る無料GPSカーナビ、リアルタイム&ソーシャルが売りの「Waze」が日本で本格始動 【増田 @maskin】

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[読了時間: 2分]

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 カーナビ大国日本。 驚きの精度、SFのようなビューなど、どんどん進化をし続けており、もはやカーライフの必需品といっても過言ではない。


 ただ、一方で、車社会ど真ん中の地方都市に住む筆者や、全国各地を日常的に走行するドライバーにとって不満に思う部分もある。それは “情報の鮮度”だ。

 例えば地図。数十センチ単位の正確な地図だったとしても、工事の影響で迂回ルートが発生していることは反映されない。地図データの更新は早くて四半期(3ヶ月)ごとなので、時期によっては新しく開通した道路が反映されないこともある。

 これは交通情報にも当てはまる。渋滞や事故、工事情報などだ。これらは、幹線道路に設置されたビーコンと呼ばれるセンサーからの情報を元に提供されることが多いのだが、そもそも特定の路線の情報しか提供されない上に、「何が起こっているか」すら解らないという問題がある。

 ところが、イスラエル発のスマホ用(iPhoneおよびAndroid対応)ソーシャルカーナビ「Waze」を使えば、その状況がまったく変わる可能性がある。リアルタイムに事故や渋滞、交通規制(&検問)などの情報がマップ上に共有されるばかりか、地図そのものをユーザー自身が修正したり改善することができるようになるのだ。

本格的に使えるスマホカーナビ


 何より「Waze」は車を走らせるのが楽しくなる仕掛けがもり沢山。Facebookなどの知り合いが “どこを走っているか?” とか “あの人を迎えにいく” とか、渋滞情報を教えてくれた人に「いいね!」するとか、互いが助けあい便利に使うための情報を提供しあう世界観がサービスの中にはある。

 実際のナビ性能はどうかというと、筆者が数時間(地方で)テストしたところ、市販されているカーナビと基本的な性能には違いがないと感じた。むしろ遅いCPUを使った古いカーナビよりは快適に動作する。UIの日本語対応はもちろん、ナビゲーションの案内音声も日本語になっており、いよいよ日本での展開も加速する時期にきている。

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カーナビのWikipedia

 「Waze」の情報は、基本的に全てのデータがユーザー投稿によるものとなる。Wazeアプリを使用しながら走行中に、事故を目撃したら、他のユーザーにそれを知らせるために「事故レポート」ボタンを押す。渋滞や危険箇所、速度カメラ、検問などの情報もユーザーがレポートでき、それをリアルタイムで確認することができる。

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 また、このレポートボタンの中には「道路作成」「地図の問題」という項目がある。そう、ユーザー自身が新しい道路を登録したり、地図の誤りを修正することが可能なのだ。そもそも、「Waze」は地図会社からデータを購入していない。ユーザーが投稿した路線情報から全ての地図を作成している。(日本ローンチにおいては、荒い基礎データを事前登録してある)。

 新しい道路の登録はスマホアプリから行うが、本格的な地図データの編集はPC用ウェブサイトで行う仕組みだ。まさに地図データのWikipediaという表現が適切だろう。

 「ユーザーの投稿は信用できる?」という点もあるが、ユーザーには使用頻度や情報作成の貢献によってポイントが付与されるようになっており、その蓄積レベルに応じて可能な操作が制限される仕組みになっている。また、地域ごとにマネージャーが任命される仕組みで、絶妙なバランスでカーナービ情報がより精度の高いものへと進化していく仕組みとなっている。

利用者は3500万人、Wazeの交通情報はTVでも活用

 「Waze」がスタートしたのは2009年。当初は本当に真っ白な地図に、ユーザーが道路を作っていくとのことで、どうなることやら?と思ったりしていたが、北米で市販されているカーナビよりも精度が高いという評価すらきかれるようになり。2012年、AppleのiOS6アップデートにおける地図精度問題で、Tim Cook氏が「Waze」をお勧めしたことで、その成長に拍車がかかった。

 現在、「Waze」は北米を中心にアジアなど世界各国で利用者を増やし、現在は登録ユーザーが3500万人。ユーザーが増えるにつれ、投稿する交通情報への信頼度が高まり、現在では25の地方テレビ局で交通情報の報道に「Waze」を使っている。

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利用者は3500万人、Wazeの交通情報はTVでも活用

 「Waze」の80人から成る開発陣はイスラエルにある。そもそもイスラエルは人口比でいうとVCや投資家、起業家が非常に多い地域であり、世界と常に関係性をもっている地域であり、世界標準のサービス&コミュニティを形成するには最適と言ってもいいポジションにある。

 営業拠点としては、シリコンバレーに事務所を構えており、数名のスタッフながらアジアや中国など世界をかけ巡っている状態。日本もこれから本格的に稼動するため、2012年初頭に業務提携した博報堂DYメディアパートナーズと密な連携を取っている。

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 来日したWazeのDirector of Business Development Chris Butler氏は、カーナビ大国日本での戦略として「カーナビは、A地点からB地点までを走行することを目的としている一方で、Wazeはリアルタイムで交通情報が変化していくメディアという差別化がされています。リアルタイムに、かつより安全に使用できることを第一と考え、まずは利用者コミュニティを活性化していきたいと思っています」と語る。

 Chris氏によれば、ドライバー人口の3-5%がWazeを利用するようになると、情報の信頼性が一定水準になるとのことで、まずはそこを目指すという。なお、収益モデルは、広告モデル。ガソリンスタンドやコンビニ、駐車場、飲食店などの情報のように、運転に差し支えなく利用価値がある情報として広告を販売していく考えだ。

【関連URL】
・Waze – Free GPS Navigation turn by turn
http://www.waze.com/

・ソーシャルカーナビのwazeのオープンさが、トヨタ、日産を抜くかもよ
http://techwave.jp/archives/51367231.html

蛇足:僕はこう思ったッス
栃木県に住む僕は毎日が車と友にある生活。Wazeにはとても期待していたのだが、いつの間にか日本対応していてビックリ。まだユーザーがいない段階で面白みに欠けるが、普通にカーナビとして使用できる。音声案内はおどろく程完璧だった。今後、利用者が増えるにつれ、どんどん高性能になるカーナビと考えるとワクワクせずにいられない。

著者プロフィール:TechWave 編集長・イマジニア 増田(maskin)真樹
変化し続ける高エネルギー生命体。8才でプログラマ、12才で起業。18才でライター。道具としてのIT/ネットを追求し、日米のIT/ネットをあれこれ見つつ、生み伝えることを生業として今ここに。1990年代はソフト/ハード開発&マーケティング→週刊アスキーなど多数のIT関連媒体で雑誌ライターとして疾走後、シリコンバレーで証券情報サービスベンチャーの起業に参画。帰国後、ネットエイジ等で複数のスタートアップに関与。関心空間、@cosme、ニフティやソニーなどのブログ&SNS国内展開に広く関与。坂本龍一氏などが参加するプロジェクトのブログ立ち上げなどを主導。 Rick Smolanの24hours in CyberSpaceの数少ない日本人被写体として現MITメディアラボ所長 伊藤穣一氏らと出演。活動タグは創出・スタートアップマーケティング・音楽・子ども・グローカル・共感 (現在、書籍「共感資本主義」「リーンスタートアップ」執筆中)。@宇都宮ー地方から全国、世界へを体現中。

メール maskin(at)metamix.com | 書籍情報・ 詳しいプロフィールはこちら


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Editor In Chief at TechWave.jp
1990年代初頭からソフトからハードまで50以上のスタートアップ立ち上げを国内外で経験。平行して雑誌ライターとして疾走。シリコンバレーでガレージベンチャーに参画後は、国内でネットエイジを筆頭にスタートアップに多数関与。ブログやSNSの国内啓蒙、ソニーの社内イノベーション事業など関与。通信キャリアのニュースポータルの立ち上げ期の編集デスクとして数億PV事業に育てた後、TechWaveにジョイン。世界最大のグローバルIT系メディアであるスペインの「Softonic」の元日本編集長
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