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ソーシャルゲームの黎明期の2007年にポケラボの創業者としてソーシャルゲームの礎を築いた佐々木俊介 氏が買取情報サイト「ヒカカク!」を運営するジラフに経営参画することが明らかになりました。
ジラフは総額1.3億円を資金調達
ジラフは2014年10月29日、一橋大学商学部に在籍中の麻生輝明 氏が立ち上げたスタートアップで、主力サービス「ヒカカク!」は買取価格情報のサイトとして宅配型業者・リアル店舗双方との連携を含めた「買い取り」エコシステム構築に乗り出していました(「買い取り」のエコシステム構築へ、ジラフが総額4000万円超のシリーズA増資)。
佐々木俊介氏はNTTコムウェアでエンジニアとしてのキャリアを形成後、ポケラボの創業および代表取締役としてグリーへの売却までスタートアップの成長に貢献した人物です。ポケラボ退社後は、トレーディングカードのフリマアプリ「magi(マギ)」を展開していました。2017年3月1日をもってジラフの執行役員として経営チームに参画することになっています。
今回、佐々木氏は個人投資家としてジラフ社にリード投資を実施しています。当該投資ラウンドでは、アドウェイズ、フリークアウト社長の佐藤氏、アナグラム、ほかエンジェル投資家が参加しており、総額は1億3000万円とのことです。
「買い取り」のエコシステムの今
ジラフ創業者であり代表取締役社長の麻生輝明 氏いわく「買取り市場は、自動車を除くと1兆円規模」といいます。買い取り(リユース)市場の年率成長は10%程度。メルカリなどフリマアプリの成長などもこの成長に貢献しているといいます。
ジラフは、当初スマートフォンの買い取りを主力として「家庭などで眠らせているアイテムの価値を認識してもらい買い取りの文化を浸透させる」という理念のもと、買い取り相場情報の収集および良質な買い取り店舗とのネットワークづくりに注力してきました。
「この1~2年におけるサイトのアクセス数が6-7倍に伸びており、経営状況としてもポジティブで単月黒字の月も出るようになりました。店舗数は数百店舗程度。増えてはいますが店舗数で拡大するというよりは信頼できる店舗さんに対しどう送客して、成果を生むかという点に集中してきました。逆にいえば、マーケティング(集客)とプロダクトの品質を向上することでヒカカクのビジネスモデルは成立するということなんです。
成果を生む源泉となるサービスの形も完成形に近づきつつあり、店舗からヒカカクからの送客が体感として認知できたり、親店開店直後であっても高額商材の取引が発生するなど手応えを感じており、これを横展開しているというのが今の状況です。自動車中古車販売のプロトやバイク中古車販売のインターファームと提携したり、相場情報を抑えるという意味で、地道に地方都市にも営業活動をしています」(ジラフ麻生氏)。
現在のジラフはフルタイムのスタッフが12名。うち7名がエンジニアという状況。ジラフが構築した買い取りシステムをスマートフォン以外の多様な領域に展開しようとすると「さらなる品質向上」・「マーケティング&グロース」両方でリソースが必要になるとジラフCOO柴田雅人氏は言います。
「例えば、スマートフォンと車での買い取りプロセスは当然違うわけですが、絵画などになってくるとさらに文化が違ってくるんです。それらをヒカカク!でカバーするには、それぞれのチューニングなり最適化を一つ一つしていく必要があります。開発面はもちろん、マーケティングやグロース両方をバランス良く増強するのが今のフェーズであり、そのための資金調達であり、成長するジラフの会社としての形を整理するための経営強化ということになりますね」(COO柴田氏)
経営参画の佐々木氏が見るチームとしてのジラフ
今回、リード投資および経営参画をした ジラフ執行役員 佐々木俊介氏は、自らのスタートアップ創業およびイグジットの経験を活かし、個人として複数の企業に出資をしています。そんな佐々木氏は「平成生まれだけで構成されるジラフのチーム、そして事業についてもおもしろそうと感じたんです」と話します。
他のスタートアップとジラフとの違いは、仕事を楽しんでやっている点です。変にイケイケではないんです。ただ、今後、資金調達をして大きく成長していく過程で、さまざまな問題課題に直面します。それを乗り越えていくということをもう一度自分でもやってみようと思ったのが今回の出資および経営参画の最大の理由です。
ジラフの事業については面白いポジションに立っていると思います。中古品買い取り市場は過去十年間くらいで見ると買取業者によって成長してきました。一方で、個人間取引が流行するようになり、リユースそのものの市場は買取市場に加える形でさらに拡大している状態にあると思います。
個人間取引を買取業界の目線で見ると、個人間取引ゆえのトラブルは発生しがちで、急成長ゆえの揺れ戻しがあると考えられます。個人と買取業者を仲介する立ち位置にいるジラフのヒカカクは、そういった動きを吸収できる可能性があるのではないかと思うんです。
こういった課題に対しジラフのチームは経済的な利益という側面だけで頑張っているというよりは会社とこの事業を大きくしたいという意識を全体が持っているように感じるんです」(佐々木氏)
【関連URL】
・ジラフ
http://jiraffe.co.jp
・「買い取り」のエコシステム構築へ、ジラフが総額4000万円超のシリーズA増資
http://techwave.jp/archives/post-25788.html