ニュースを広く伝播するという役割においては、米国ではFacebookのほうがGoogleニュースより影響力が大きいようだ。米調査会社hitwiseが、報道機関などのニュースサイトへアクセスに関し、Facebook経由とGoogleニュース経由のどちらが多いかを調べたところ、2009年4月ぐらいからFacebook経由のアクセスの方が多くなり、その後も差が拡大していっている。Facebookもニュースの伝播における自分たちの役割拡大に気づいたようで、オフィシャルブログでユーザー一人一人に合ったニュースサイトのリスト作りを勧めている。FacebookやTwitterを通じたニュースの伝播における影響力はますます拡大することは間違いなく、それに伴ってマスメディアの影響力の低下は避けられそうもない。
アーカイブ 2月 2010
米Search Engine Landによると、Googleが米国内でGoogleストリートビューならぬ、ストアビューの撮影を始めたもようだ。ニューヨークのOh Nutsというキャンディなどを売るお店にGoogleの撮影チームが来て、店内の様子や商品を細かく撮影していったという。
確かに便利かもしれない。店の中の写真が、Googleマップの中に組み込まれるのだ。Googleマップを見ていて、ストリートビューでお店の外観を見て、店内の様子を見たければ外観のドアの部分をクリックするだけで、店内をのぞくことができる。
でも日本でもストアビューの撮影って始まるのだろうか。ぐるなびや、食べログ、30min.など、日本のローカル情報サービスに影響を与えないだろうか。
米有力紙New York Timesによると、AppleのiPad対抗策としてAmazonがタッチパネルのベンチャー企業を買収したもようだ。
同紙が関係者の話として伝えたことろによると、Amazonはタッチパネルのベンチャー企業Touchcoを買収したという。
Touchcoは以前、マルチタッチで圧力を感知できるタッチスクリーンも。やっぱりタブレット新時代がくるのかもという記事で紹介したように、マルチタッチなのに指先の圧力も感知できるInterpolating Force-Sensitive Resistance (IFSR)と呼ばれる技術を開発したベンチャー企業。
AppleのiPhoneとGoogleのAndroidベースのケータイとのシェア争いの行方を決めるのは、それぞれの持つアプリ市場の規模だと言われる。ケータイやスマートフォンの使い勝手のよさを決めるのがアプリであり、iPhoneのAppStoreとGoogleのAndroidMarketのどちらのアプリ市場向けに、より多くアプリが開発されるかがモバイル領域におけるAppleとGoogleの争いの勝敗を決める、というのが業界関係者の支配的な見解だ。ところが今後はアプリよりもブラウザベースのサービスのほうが主流になるという予測が、米モバイル検索のTaptuから発表された。(発表文)
AppleのAppStoreには既に約14万8000タイトルのアプリが登録されており、まだ2万4000タイトル前後のGoogleのAndroidMarketに大きく水を開けている。このタイトル数の圧倒的な差からスティーブ・ジョブズ氏は先行逃げ切りに自信を見せていたが、勝負を決めるのがアプリ数ではなくなるとなると、Apple対Googleの戦いの今後が読めなくなってきた。
Taptuの集計データによると、iPhone、Androidのどちらでも使えるスマートフォン向けサイトの数は既に32万6000にも上り、アプリの数との差は拡大する一方だという。
TechWaveでは、日本のテックベンチャー支援を目的としたTechCrunchJapanのイベント「東京Camp」に協力することになりました。
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米シリコンバレーの有力ブロガーであるRobert Scoble氏が、GoogleがTwitter風のミニブログサービスに乗り出すという話をGoogleの社員3人から聞いたと最新のブログエントリーに書いている。4月に開催予定のGoogle’s IO conferenceで発表されるかもしれないという。
GoogleがTwitter風サービスを始める?
可能性は十分にあるだろう。類は類を呼ぶ、というように、ユーザーの友人関係のデータ、友人の検索履歴などを検索のプロセスに取り込むことができれば、検索の精度が格段に向上する。Google Profilesや、Google’s Social Circles Connectionsなどのサービスに力を入れ始めたのはこのためだ。もっと言えば、検索の時代からソーシャルメディアの時代へと移行していく中で、たとえGoogleといえどもソーシャルメディアに乗り出さなければ生き残れないだろう。(関連記事:ID戦争勃発?米YahooはFacebookと、 GoogleはTwitterと連携、TwitterとFacebookの時代がきた、Facebookの暴走を止めることができるのはTwitter+Googleのみ)
それにTwitter風サービス自体、コンセプトは簡単だし、模倣するのはそれほど困難じゃない。事実Facebookのモバイル版はTwitterのモバイルクライアントと見た目はほとんど同じだし、日本でもMixiもグリーもアメーバもTwitter風のサービスに乗り出している。
問題は、先行するTwitterを追い抜けるのか、ということだろう。日本の「Amebaなう」などのサービスはTwitterを追い抜く必要はない。日本のTwitterユーザー層はPCやiPhoneユーザー層と重なるところが多く、「Amebaなう」などのケータイ層、若年層とは異なる。ターゲット層が違うので、それほど競合しないと思われるからだ。
一方で、Facebookは正面からTwitterと衝突することになる。ただFacebookは3億数千万人のユーザーを抱える巨大SNSである。ユーザー数が数千万人規模のTwitterに比べ、今後有利に戦っていけるだろう。
ではGoogleはどうだろう。幾らGoogelといえども、ここまで先行するTwitter、Facebookに追いつき、追い越せるのだろうか。
わたしは可能だと思う。
ソフトバンクがライブ動画配信サービスのusreamに出資した。以下、ソフトバンクの発表文から。
当社は、インターネットを利用したライブ動画の配信サービス(ビデオストリーミングサービス)を提供する、Ustream, Inc.(ユーストリーム、本社:米国カリフォルニア州、社長:John Ham(ジョン・ハム)、以下Ustream)に対し、2010年1月29日に約2,000万米ドル(約18億円、出資比率13.7%)を出資しましたのでお知らせします。今後2011年7月までに追加で株式を取得できるすべてのオプションを行使した場合には、合計で約7,500万米ドル(出資比率30%強)の出資になり、同社の筆頭株主になる予定です。
この発表文には書かれていないが、ustream自体の英語の発表文ではアジア市場はライブ動画配信で未開の市場であり、これを開拓していく、と明言している。
Asia offers a significant, untapped market opportunity for streaming video,” said John Ham, Ustream founder and CEO. “SOFTBANK will enable us to develop this opportunity and deliver on our vision of live streaming video everywhere. We look forward to deploying these resources to accelerate our growth in the United States and Asia Pacific.
ソフトバンクはいろいろなネット事業に投資しているのだが、今回は筆頭株主の地位を狙っているし、結構本気みたい。
アジア市場を押さえるというのが、ソフトバンクの孫正義社長の悲願なので、ustreamと一緒になってアジアで大きく動こうということらしい。
Ustreamは2007年3月に事業を開始し、PCやスマートフォンを通じて、誰でも美しいライブ動画を配信・視聴でき、また配信された動画をいつでも視聴できるサービスを提供しています。月間で5,000万人以上の視聴があり、メディア・コンテンツホルダーと連携した多くのプレミアムコンテンツ(映画や音楽、スポーツ関連映像など)も配信しているのが特長です。また、TwitterやMySpaceとも連携しており、ユーザー同士が映像を見ながらコミュニケーションをとることができます。さらに、iPhoneでのアプリケーションのダウンロード数は150万を超え、利用者数は急増しており、今後さらなる成長が期待できます。
【いきなり追記】
イベントレポートを悠長に書いていたらこんな発表が!
Ustream, Inc.への出資について | ソフトバンク株式会社
【イベントレポート】
Ustreamに今や欠かせない存在となったtwitterとiPhone。2010年1月31日、このミックスを一度に味わえるイベント、その名も「iPhone Ustreamユーザーのイベント with @ksorano+スペシャルゲスト」に参加してきました。場所はおなじみ、六本木の豚組しゃぶ庵です。
以下、写真を中心にご報告。
【写真1】主催のITジャーナリスト・林信行(@nobi)さんから乾杯の挨拶。当然みなさん、思い思いのiPhoneで中継してます。
【写真2】スペシャルゲストはUstreamの中の人。
先日発表されたデスクトップクライアント「Ustream Producer」の紹介を中心に、生中継の経験談などを語ってくれました。日本での具体的な展開については、まだ話せないようでしたが、こうやって日本市場の可能性を見てくれているだけでも、ありがたいものです。(国内の同業には驚異だけど。)
また、Ustreamには「Watershed」という有料サービスもあるんですね。知らなかった。最近Ustreamに入る広告がアレですから、何とかならないかという声は、会場でも聞かれました。やはりフリーミアムか。
[もっと読む…] about 今年はUstの年かな? iPhone&Ustreamユーザーのイベントに参加してきました。
過去150年間はマスメディアマーケティングの時代だったと言われる。それが過去10年間くらいはインターネットの利用が広がり、ネットを使ったマーケティングにも力が注がれるようになった。過去10年くらいのマーケティングは、ターゲットマーケティング、クロス・マーケティングなどというキーワードで象徴されることが多かった。日本では今も、そうしたキーワードが主流だ。
ところが昨年ごろからUSではソーシャルメディアマーケティングというキーワードが頻繁に使われるようになってきた。
調べてみると、コンセプトがこれまでのマスメディアマーケティングやターゲットマーケティングとはかなり異なっている。これまでのマーケティングがメッセージを伝えることを主な目的にしていたのに対し、ソーシャルメディアマーケティングは顧客の声を聞き、顧客との関係を強化することを主な目的にしている。これまでのマーケティングがマーケティング部署という1つの部署の仕事であったのに対し、ソーシャルメディアマーケティングは経営トップを中心とした全社的な取り組みの色彩がより濃くなっている。
TechWaveでは、こうした時代の大きな変化を察知し、新しく発生した情報ニーズに対応するために、オカッパ本田を中心にソーシャルメディアマーケティングのコンサルタント養成講座開設の準備を進めているのだが、それよりも早く小川浩さん、小川和也さんによる書籍「ソーシャルメディアマーケティング」がソフトバンククリエイティブから出たわけだ。
なぜ今、ソーシャルメディアマーケティングなのか。この本の中では次のように述べている。
理解しておかなければならないのは、ソーシャルメディアとは、インターネットを介して世界中に広がる「社会的な会話」の場であるということだ。つまり、あなたがそこにいようがいまいが、人々はあなたのブランドについて語っているかもしれないし、あなたのライバル企業を礼賛しているかもしれないという事実は、もはや変えられない。あなたがいないところで、あなたのブランドを批評している人たちが存在する。あなたはそれを聞きたくないのか。聞きたくないとしたら、あなたはマーケターではない。
小川浩さんと言えばミスターweb2.0と呼ばれることもあるように、web2.0に関する本を日本でだれよりも早く本にした人物だ。時代の流れをだれよりも早く察知し、概念をまとめ上げる能力に関しては、日本有数だと思う。
この「時代の流れをだれよりも早く察知し、概念をまとめ上げる」という仕事は、実は僕の仕事の中核をなしている。僕の生業だ。この仕事に関しては、小川さんは僕の競合になるわけだ。しかもこちらは本業、小川さんはサイドビジネスである。ひょっとすると小川さんは本の執筆を趣味ととらえているのかもしれない。ところが本業の僕のほうが毎回負けているわけだ。やれやれ。
もう1月以上も前の経営コンサルタント大石哲之さんのブログのエントリー。このエントリーに関して何か書きたいと思って考え続けて、かなり時間がたった。このまま時間がどんどんたっていって忘れ去るのもイヤなので、メモ書き程度のエントリー。
新聞社の経営をまかされたら自分ならどうする、という頭の体操なんだけど、大石さんの結論は、得意でもないネットに対応するよりも、デジタルデバイドされた側の人たち向けの半日遅れのマス向け情報という路線でいけばいいんじゃないか、というようなことなんだろう。もちろんデバイドされた側の層は今後自然減していくので、将来性には欠けるんだけど、もう一方の選択肢であるネットの専門媒体に特化するというミドルメディア戦略も難しいんじゃないか、という意見。結局、どっちにしろ未来は暗いという話に落ち着く。
報道ビジネスの今後の姿を考える上で、業界関係者に多いデジタル化、有料化、単純な電子新聞化に活路を見出そうという戦略は、まったくネットの現状を理解できていない人たちの一時的な熱病とスルーしたとして、それ以外の意見としては、小林弘人さんや佐々木俊尚さんや、その他多くのネットビジネスのオピニオンリーダーが主張するミドルメディア化戦略が主流派なんだと思う。僕もそう考えているし。
でも、それも無理なんじゃね、というのが大石さんの話だ。
んんんん。反論したい。
すごく反論したいところなんだけど、実際に僕は、昨年末まで在籍した報道機関の戦略をミドルメディア戦略に切り替えようとして結局無理だったわけで・・・。
心のどこかで大石さんの主張と同じことに気づいていたのかもしれない。自分にとって心をえぐられるようなエントリーでした。