剛腕Appleに悩まされるFlash、広告会社【今週のピックアップ】

tsuruaki

14年前

AppleのiPadがシリコンバレーのApple Storeでは「在庫なし、入荷未定」の状態が続いている。すごい人気だ。この人気のおかげでAppleは業界内での影響力を強めている。（関連記事：シリコンバレーのApple StoreにiPad在庫なし、入荷未定）

　Appleのスティーブ・ジョブズ氏は、不具合を起こす可能性が高いことや電池の減りが速くなることを理由にiPadなどのモバイル機器にFlashを搭載しない考え。本来ならハードメーカー1社がFlash搭載しなくてもAdobeには痛くも痒くもないはず。しかしその1社が、鳥飛ぶを落とす勢いのAppleなら話は別。

　Apple製品に自分たちのコンテンツを表示させたいコンテンツ提供者やサイト運営者の間で、Flashを使わないことを決めるところが出始めている。航空会社のサイトもそうだし、最近では米TVネットワーク大手のCBS放送もFlashの対抗馬であるHTML5を採用に決めたという報道もある。（米engadgetの関連記事）

　この流れに沿って将来はFlashがすべてHTML5に変わってしまうのだろうか？

　「いやHTML5ではゲームのような動きの速い表現力は無理だろう」という話もあったのでけど、下の動画のように、「いやじゅうぶんできるよ」という話もある。

　この流れのままHTML5に移行するのかどうか、実は僕自身もよく分かりません。読者の中で専門家の方々はどう見られているのでしょう。ぜひコメント、トラックバック、Twitterなどで、ご意見をお聞かせください。

　さて自然とHTML5に流れていくのならだれも文句は言えないけど、その流れを無理矢理作ろうとすると、当然Adobeは怒ります。

　Appleがモバイル機器にFlashで作ったコンテンツを受け付けないというのは自由。でもFlashで作ったものをApple製品用にコードを変換したものでもダメ、というような表現をライセンス規約の中に盛り込んだのでAdobeは怒った。まだ確定情報ではないんだけれど、AdobeはAppleを提訴する準備を始めたという話だ。（関連記事：堪忍袋の緒が切れた？AdobeがついにApple提訴へ＝米ITWrold【湯川】）

　最近はこうしたAppleの剛腕ぶりがニュースになることが多い。昔からそうだったのかもしれないけど、最近特に影響力がハンパないので「ちょっと待ってよ」って感じになってるのかも。

　Appleとアプリ開発者との間で結ぶ契約書の中に、Apple以外の広告の仕組みが統計データを送受信してはいけないという条項が含まれていて注目を集めている。だってアクセスデータとか取れない広告の仕組みってありえない。事実上Apple以外の広告の仕組みを排除するような内容の条項になっている。僕の周りの広告関連の人たちも「本当だとしたらひどい話だ」って言ってた。（関連記事：Appleのモバイル広告iAdは売上最高47億ドルに＝米アナリストが推計【湯川】）

【今週の総括】
　やっぱり上記の関連の話が、はてなブックマークでもページビューランキングでも上位に入ってきている。

　このほか僕が個人的によかったと思うのが、三橋さんが書いた「ツイッターノミクス」関連の記事。すごくよくまとまっていて、読み応えがありました。

「ツイッターノミクス」の著者タラ・ハントさんと津田大介さんのトークイベントに参加して【三橋ゆか里】
インタビュー：「ツイッターノミクス」著者、タラ・ハントさん -前編- 【三橋ゆか里】
インタビュー：「ツイッターノミクス」著者、タラ・ハントさん -後編- 【三橋ゆか里】

　それとソーシャルゲームって、まだ僕の周辺ではそれほど注目している人が少ない感じがするけど、１つの大きな波のように思う。これからいろいろと影響力を増すんじゃないかなあ。

　中国取材の結果を書き始めています。モバゲータウンがソーシャルゲームに注力したことで月間600億PVを達成した話って、すごいことだと思う。まだまだ伸びそうな勢いだし。調べてないけど日本最大のウェブサイトになったんじゃないのかなあ。

Tech Wave : ウェブを未来へ導くソーシャルゲームの力【湯川】
Tech Wave : 恐るべしソーシャルゲームのパワー＝モバゲータウン3月は600億PV【湯川】
Tech Wave : GREEのページビューが下落＝オープン化に出遅れたことが原因？