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米Facebookが最強のエンジニアを日本に送り込んでモバイル領域から攻めようとしていることは先に報じた通りだが、Facebookが同社の未来をモバイルにかけているというレポートが米intomobileにアップされた。米国で開催されたMobileBeat 2010 Conferenceに登壇したFacebookのモバイル担当者の話をまとめたもので、Facebookがどのようなモバイル戦略を今後展開してくるのかが、ある程度見通せる内容になっている。
登壇したのはGoogleのsenior product managerとしてAndroid OSの開発に大きく貢献したことで有名なErick Tseng氏。同氏は5月にFacebookによってGoogleから引き抜かれたばかり。
同氏によると、PCウェブ向けの開発者ツールはすべてモバイル向けに今後5ヶ月以内に提供する考えという。Open Graph APIであるとか、「いいね!」ボタンであるとかが、モバイルサイトでも利用できるようになるわけだ。「われわれはモバイルこそが(Facebookの)未来だと考えている」と同氏は言う。つまりモバイルにかなりのリソースを投入してくる考えだ。これは日本市場でも同じことだろう。
具体的にはどのようなサービスが今後登場してくるのだろうか。同氏は次のような例を挙げている。スターバックスの近くを歩いていたら、友人のうち30人が「パンプキン・スパイス・モカ」という種類のコーヒーに対して「いいね!」ボタンを押している、という事実が表示される。こうした使い方が一般的になるという。そのお店の近くを通ればクーポンが表示されるという比較的単純な位置情報サービスに比べて、友人の推薦というフィルターを通過した情報なので、より価値があるのかもしれない。
また今後は、PCウェブ向けサービスにはないモバイルだけのサービスや機能の開発にも力を入れていくという。
AppleのiPhoneとの連携に関しては、発表できるものはまだないが連携はいずれ時間の問題だと語ったという。iPhoneとの連携というのは、iPhone向けにFacebookのアプリを提供するという現状のレベルをはるかに超える連携なのだろう。例えばiPhoneの「連絡先」にボタン1つでFacebookの友人の連絡先データを全部取り込めるというような連携なのだと予測される。その「連絡先」から友人のオンライン上での活動を把握できるようなインターフェースになるのかもしれない。
ただ当面はマネタイズを考えずに、モバイルの機能強化とユーザー獲得にリソースを投入する考えのようだ。
すべてのリアルな人間関係がオンラインでつながり、すべてのオンラインの人間関係はリアルでつながる。そしてその人間関係をモバイル機器の中に入れて持ち歩く。ほとんどの情報、広告、ビジネス、物販は、その人間関係を通じて行われるようになる。この21世紀のメディアの形が着実に現実になろうとしている。
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