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米Amazon.comが無料で提供するiPhone、iPad向けの電子書籍リーダーアプリ「Kindle for iOS」に辞書機能が搭載された。またハード機器のKindleのほうはソーシャルメディアとの連携機能が搭載されたし、Appleが提供する電子書籍リーダーアプリiBooksにも辞書機能が搭載されている。米IT大手間の電子書籍リーダー開発競争のおかげで機能拡充がハイピッチで続けられているわけで、もはや紙の本は不要とまで思えてきた。
iPhoneやiPadでKindle for iOSを新バージョンにアップグレードすれば、「ホーム」画面でNew Oxford American Dictionaryという英英辞典をダウンロードできるようになった。もちろん無料だ。その後、書籍コンテンツ上の分からない英単語の部分に指を置くだけで画面の下にその単語の意味が(英語でだけど)瞬時に表示されるようになった。これは非常に便利だ。またその単語に関する情報をGoogleやWikipediaで検索することも可能。ただし、これはSafariを立ち上げての検索なんで、検索結果が表示されるまで1、2秒かかるし、SafariからKindleへ戻るのにも少し時間がかかる。
Apple提供の無料アプリiBooksも同様に辞書機能が搭載されたほか、画像部分をダブルタップすれば画像が拡大表示される機能や、別の専用アプリに移動することなく本の中で音声やビデオを再生できるようにもなった。
またハード機器としてのKindleは既報の通りソーシャルメディア連携機能がついて、気に入ったフレーズなどをTwitterなどのソーシャルメディアに簡単に投稿できるようになっている。(関連記事:生まれ変わった「日本語対応キンドル」は12000円から、Twitter&Facebook対応 【@maskin】)
この領域ってAmazon、Apple、Googleが競っているわけだから、機能拡充がものすごい速度で進んでいるわけなんだな。まだまだ便利になるんだろうと思うけど、辞書で調べられて、ビデオを再生できて、Twitterでつぶやけるようになれば、あとどんな機能が必要なんだろう。まあ日本人にとっては英英辞典ではなく英和辞典がほしいというところか。でも英語の本を読むような人には英和辞典よりも英英辞典のほうが便利かも。
本の作り手、著者としては、米IT大手が今後も機能拡充を競うのだろうから、もう自分たちでアプリ開発をする必要もないんだろうなと思う。今回僕のiPad英語学習法を電子書籍としても出版しようと、自分たちでアプリを一から開発しようとしたんだけど、これが結構大変だったみたい。今は既に開発が終わって、Appleに審査してもらってます。本田君、関さん、ご苦労さまでした。
さてこれからはアプリを開発しなくても、e-pub形式の原稿を用意するだけで、すんげえ機能を搭載した電子書籍になっちゃうんだろうと思う。事実、僕の原稿をe-pub形式にしたデータをiPadの中に入れてたんだけど、それが勝手にiBooksに認識されていて、ほぼ完璧な電子書籍になっているんでびっくりした。
無料の本を配布するのなら今でもできるんだけど、やはり課金できる仕組みがほしい。来年くらいにはGoogle、Apple、Amazonなんかも日本で電子書籍販売の仕組みをスタートさせるんじゃないだろうか。そうなればTechWaveでもどんどんいろんな本を出していきたいと思う。
本の読み手としては、もう紙の本には戻れないって感じ。これは本当にそう思う。すべての本が早く電子書籍になってほしい。僕自身、20年も米国に住んでいたのに、日本語の本と英語の本ではやはり圧倒的に日本語の本のほうが読みやすいんだけど、それでも同じような内容の本で日本語の紙の本と、英語の電子書籍との間でどっちを選ぶかというと、迷わず英語の電子書籍を選ぶ。それくらい電子書籍のほうが便利。だって何冊だって持ち歩けるし、ハイライト機能なども付けたり消したりできる。ちょっと気になったことはネットで調べたりできるし。
電子書籍が普及しないと考えている人は、多分どんなことができるか、これからできるようになるのか分かってないんだと思う。新しいテクノロジーに関して食わず嫌いになっているだけじゃないのかなあ。
この間もテレビでコメンテーターが「電子書籍だとページ上にメモの走り書きなんてできないでしょ」と言ってたけど、「ハイライト」機能も「ノート」機能もあるよ。それによほどニッチなニーズでない限り、読者の「こんなことできればいいな」という要望のほとんどは、かなり早い時点でかなえられると思う。IT大手が機能拡充を競っているんだから。
ただ日本人特有の機能の要望、例えば日本語辞書がほしい、とかはしばらく時間がかかるかも。Apple、Google、Amazonの日本法人のみなさん、ぜひ頑張ってください!
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