HPが12億ドルでPalm買収＝モバイルでApple、Googleに対抗【湯川】

　米コンピューターメーカー大手のHewlett-Packard（HP）は、モバイル機器大手Palmを12億ドルで買収することで両社の間で合意に達したと発表した。Palmを買収することでHPは、携帯電話やタブレット型パソコンの領域に本格参入し、AppleやGoogleと正面から対抗していくことになりそう。

　Palmはスマートフォンと呼ばれる高性能携帯電話のフロンティア的企業だが、最近はApple製のiPhoneやGoogle製のAndroidケータイなどに押され気味で、身売り先を探していたといわれる。ただPalm製の基本ソフト（OS)「WebOS」はAppleのスティーブ・ジョブズ氏でさえ一目置くほど優れたOSで、HPも発表文の中で「他に類を見ないほど優れたwebOSを使ってHPは、最も急成長が続く非常に収益性の高いスマートフォンと関連モバイル機器市場により積極的に参加することができる」としている。

　関連モバイル機器市場とは、AppleのiPadのようなタブレット型パソコンのことを指しているとみられる。webOSはマルチタスキング機能やアプリ間のリアルタイムデータ共有機能が特に優れているといわれるので、iPhoneやiPadにとっても脅威となりそう。

　モバイル機器市場は、AppleとGoogleの2強時代になるとみられていたが、HPの資金力を得てPalmも無視できない勢力になりそうだ。

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