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仙台のスタートアップJDSoundが開発する高性能ポータブルDJユニット「GODJ Plus」が2016年5月27日、サイバーエージェントクラウドファンディングの「Makuake(マクアケ)」で展開されるプロジェクトの過去最高額を達成。また、マーケットプレース型クラウドファンディングサイトにおいて、モノ系の達成型プロジェクトとして日本の最高額をマークした。
5月27日(金)未明に4000万円を突破。翌28日(土)8時00分現在、1002人のサポーターから4129万5600円を調達した。
デバイス系では仏Wistiki(ウィスティキ)のプリセールス型(すでにモノは製造されており、予約販売という形)プロジェクトが日本最高額を達成していた(「仏人創業者も興奮「なぜしっかり者の日本人に支持される?」、日本1位を記録した「Wistiki(ウィスティキ)」=紛失防止デバイス【@maskin】」)。また、ソニーが社内プロジェクトとしてクラウドファンディングの仕組みを採用し1億を調達したケースとして、スマート腕時計「wena」もあるが、一般のクラウドファンディングサービスでのチャレンジとは一線を画している(社内プロジェクトのみのラインナップであり、手数料などの条件も異なる)と言え並べて比較は難しい。米クラウドファンディング大手KickStarterで最高額22億1700万円(2033万8986米ドル:1ドル109円換算)を達成したのもスマート腕時計「Pebble」だ。いずれも一般消費者が関心を持てるジャンルの製品だ。
その点、「GODJ Plus」はDJのためのデバイス。いくらDJが市民権を得ているとはいえ、時計などと比較すれば一般的な認知があるとは言いがたいプロダクトだ。
音楽の革命、絆への期待
一昨日に公開した記事「「GODJ Plus」日本最高額に挑む被災地からの絆、日本のモノづくりの未来への希望 【@maskin】」に反応する形で、多くの人がこのプロジェクトの裏にあるバックストーリーに感銘を受ける投稿がSNSに相次いだ。モノの良さはもちろん、人と人の思い、そして絆の素晴らしさをプロダクトに投影しているのだ。
「GODJ Plus」は再生ボタンを押せば使える音楽プレイヤーではない。音楽を理解し、つなぎ、ミックスする、音楽との新しい付き合い方を提案する製品である。人々は、左から右に流れるパッケージされたプロダクトを求めているのではなく、人と音楽との関係を、再定義しているようにも感じられた。
「GODJ Plus」のクラウドファンディング・プロジェクトは、既に成功ラインの2000万は突破していた。生産することは確定している状態あった。この度、5月30日のプロジェクト終了を迎え、本格的な製造に入ることになる。ストレッチゴールとして設定されていたiTunesの音楽ファイル変換機能や専用ケースも新たに加えられている。
「まさかの1000人超え。本当に大きなプロジェクトになってしまいました。なんだか夢のようです。
作り手の私はもちろんですが、これまでDJをしてきた方々が空前のDJブームに喜んでいるのがとても嬉しいです。漫画やアニメではアゲ太郎が人気ですし、DJみそしるちゃんはEテレにまで出てるしで、これからオリンピックに向けてDJ文化が加速していくのではないかと。わくわくしますね!」(プロジェクト発起人 JDSound 宮崎晃一郎 氏)
【関連URL】
・GODJ Plus | Makuake
https://www.makuake.com/project/go-dj-plus/
・もはやスタバでMacは古い「GODJ Plus」を抱えて街へ出よう
http://techwave.jp/archives/godj-plus-crowdfunding-on-makuake.html
・「GODJ Plus」日本最高額に挑む被災地からの絆、日本のモノづくりの未来への希望 【@maskin】
http://techwave.jp/archives/post-21736.html
1980年代を中心に、ラジオカセットというポータブル(というには大きいが)音楽デバイスを持つことが人々のステータスとなっていた。町に音楽があふれ、様々なドラマの中にいつも音楽が介在していたように思う。iPodやiPhoneの普及は、個々の音楽接触をより拡大したかとは思うのだが、人と人をつなぐ意味での音楽の存在を希薄なものにしてしまった。危険な外来植物が、往来植物を駆逐してしまうかのように。「GODJ Plus」はプロダクトとしての完成度だけを追求したものではない。理念の上に生み出すプロセスがある。DJのみならず、一般家庭にまで浸透していく未来を創造して形づくられたものという価値がある。だからこそ今回の大型達成の意義は大きい。人から人、人からモノ、そして音楽、あらゆる要素が媒介となり、一つの大きな思いを伝搬することになるだろうから。