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ユーザーの位置情報を元に広告やウェブページの表示を変える企業が増えてきた。ANAによると、ユーザーのIPアドレスをベースにして広告の表示を変更することで予約率が向上しているという。また米Yahoo!は、全国チェーンを持つ大手広告主に対しローカル広告の提供を始めた。未開拓の広告市場として期待され続けてきたローカル広告だが、今度こそいよいよ立ち上がろうとしているのかもしれない。
ANAによると、ANAではユーザーのIPアドレスを基にキーワード広告をユーザーの住む地域に即したものを出稿するようにしている。
例えばIPアドレスが東京であれば以下のようなキーワード広告が検索の際に表示され、その広告をクリックすると東京のユーザーを意識したデザインになっているページにジャンプする。
もしIPアドレスが大阪周辺のユーザーであれば、キーワード広告には次のように表示され、大阪発の航空券のページにジャンプするようになっている。
ANAの場合、航空券の予約が完了することが広告の究極の効果になるわけだが、この予約完了のために広告料金がいくらかかったかという指標CPA(Cost per Action:1つの効果当たりのコスト)が、IPアドレスに関連した広告の場合は軒並み下落。少ないコストで高い効果を得ることができているわけで、つまり費用対効果が高くなったわけだ。
特に沖縄などの特定の地域での費用対効果の向上は歴然で、沖縄では、IPアドレスに関係ない広告を出稿している地域の平均のわずか数分の1の広告コストで予約を獲得できている。
IPアドレスを考慮しての広告出稿は日本の大手サイトではまだ珍しいが、ANAの成功を見て今後導入が広がりそうだ。
一方で米Yahoo!は、こうした位置情報をベースにした広告に今後全面的に力を入れていくもようだ。
米Forbes誌によると、ダンキンドーナツ、バーガーキング、ピザハットなどの大手広告主が地方紙、ローカルラジオなどに使う広告費は年間で総額1200億ドルにも上る。こうしたローカル広告に興味のある大手広告主に米Yahoo!は今後、片っ端から営業をかけていくのだという。
米Yahoo!の北米チャンネルセールスのVPのLem Lloydさんは「We’re laser focused on this segment of the market(レーザーのように細かく焦点を当てこの市場のセグメントを狙っていく)」と語っているという。
米Yahoo!はNewspaper Consortiumを作っていて800紙以上の新聞社と協力体制を築いている。このコンソーシアムを通じて新聞社の広告営業担当者7500人の協力を得られるようになっているのだという。
また米Yahoo!は電話会社AT&Tとも協力関係を結んでおり、同社のYellowPages(日本でいうところのタウンページ)の広告営業担当者約4000人を通じて、広告を集めてくる考えという。Lloydさんは「ローカル・ディスプレー広告はこれから急成長するぞ」と意気揚々と語っているようだ。
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