- 「ソラコム」がスイングバイIPOを実現、東証グロース市場上場承認 - 2024-02-22
- (更新)結果速報 LAUNCHPAD SEED#IVS2023 #IVS #IVS @IVS_Official - 2023-03-09
- 「始動 Next Innovator 2022」締め切りは9月5日(月)正午ー経産省・JETRO主催のイノベーター育成プログラム #始動2022 - 2022-09-01
[読了時間: 2分]
2011年6月23日にローンチから一年が過ぎ、4500万人のユーザー(2012年7月2日時点)を抱えるまでに成長した「LINE」。
その急成長の裏に隠された真実に迫る連載の二回目として、本日7月3日13時から開催されるカンファレンス「Hello, Friends in Tokyo 2012」でプラットフォーム戦略が発表される直前に現在起っていることなどをお伝えしていこうと思う。
(写真は、NHN Japanのウェブサービス本部 執行役員/CSMO 舛田淳氏)
プラットフォームの条件
kobo Touch (ブラック) |
http://line.naver.jp/2012/ja
LINE成長の布石については、末尾の年表を参考にしていただければと思うが、そもそもLINEの企画が動き初めたのは2011年4月頃のことで、NHN Japan 代表取締役社長 森川亮氏は「スマートフォンネイティブのサービスという先が見えない不安を抱える中、社内で議論を重ね、短期間で製品をリリースした」と当時はまだまだスマートフォン向けサービスの展望が見えていなかったことをIVSの基調講演で明らかにしている。
「結果としては、スマートフォンの2011年通期出荷台数は2417万台、2012年3月の時点のLINEユーザー1056万人ということでシェアは44%まで達しました。最大の特徴は、日本はうち43.2%に過ぎず、中東、シルクロード、アルプスを越えEU地域にも波及。日本、台湾、タイ、香港などで急速に成長した点です」(森川氏)
LINEチームを指揮してきたNHN Japanのウェブサービス本部 執行役員/CSMO 舛田淳氏は、「これだけの規模になるとFacebookや等のソーシャルメディアとのシェア争いを懸念するのある意味当然だとは思うが、そもそもが異なるジャンルのものであり共存も可能だと考えています」。
LINEチームは、ずっと「スマートフォンネイティブ」を主張してきた。「さらに、すべてがリアル。知り合い同士が電話番号ベースのリアルグラフで繋がり、リアルタイムで、リアルな話を交わす。電話番号を知っていれば知り合いだろう、だからログインという発想をなくしました。シングルサインオンだとか色々なやり方があるが、もっともスマートな形で実現したところが。このような徹底したシンプルの追求で、アクティブ率が80%以上と高くなっていると考えています」(桝田氏)。
このような土台の上で4500万ユーザーまで成長してきたことで「土台ができた。リアルのつながりの価値を最大化するプラットフォームの条件が揃った」と森川氏はいう。
「プラットフォームの条件は、一つはユーザーベース。もう一つはサービスコネクト、最後はマネタイズ。ユーザーベースは4500万人を達成し、年内1億人に向け総力を結集。サービスコネクトは、LINE Cameraや公式アカウントなどを実験的に展開し想定通りのパフォーマンスを発揮。マネタイズについては、スタンプショップがApp StoreおよびGoogle Playの各国セールスランキングで上位を保持できた」(森川氏)。
、今こそプラットフォーム展開のタイミングで「成功事例をひな型として世界のマーケットで展開していく」と彼等はいう。
日本の成功をひな型に、世界に適用していく
「そもそも、グローバルニーズがあるところにLINEを投入しました。初めの動きは中東ですが、これは我々が仕掛けたのではなく、現地が受け入れ拡散してくれた。つまり良いものであれば、グローバルマーケットに投入することで、自然と増加していくというチャンスがあるということです。
コミュニケーションのニーズは世界共通じゃないはずがない。結局私達がやったのは、言語対応であるとか、プロモーションであるとか、現地法人はなく日本から効率良く対応できるということを示していくことだったんです。例えば、CM展開は日本で実施し、パフォーマンスがよかったため同じパターンで台湾でも展開。公式アカウントについても、日本で展開して、香港・台湾・タイでスタートしました。
世界にはTencent、Weixin、WeChat、QQmobileなど地域レベルで見ると競合と考えられる企業やサービスがあり、現地で展開すると考えた時、強大なライバルとなる可能性があります。しかし、世界規模で見ている我々は、これらを競合とは見ていません」(桝田氏)
強気の発言に思えるが、前回の記事でもお伝えした通り、LINEが直面するのは “前例の無い世界” 。ベストと思われる型を見定め世界に適用することを第一に邁進する考えなのだろう。
メッセージベースのプラットフォーム、もちろんゲームも対話型。
さて、本日のイベント「Hello, Friends in Tokyo 2012」では、プラットフォーム戦略が明らかになるわけだが、いったいどのような応用が可能になるのだろうか。
IVSの会場では「ゲームや一般アプリがLINEプラットフォーム上に乗ってくる」ということが明らかになっているが、筆者が桝田氏に直接伺ったところ「基本は対話です」との回答。「非言語コミュニケーションを含めた対話が基本になるので、ゲームも対話ベースです」(桝田氏)。先日、LINEを使った「トークノベル」が発表されたが、そういった路線になる可能性もある。
プラットフォーム戦略の詳細発表は、本日7月3日13時からUstreamでも視聴可能だ。時代が変わる瞬間を確認しておくべきかもしれない。
LINE成長の歴史
(2012/7/1現在)
・2011年3月11日 震災で役員は九州へ、社員は自宅待機
・2011年4月に企画スタート、デザインから詰めていく。コンセプトには311の絆が影響
・2011年6月23日サービスイン、「ほとんどの人がピンときてない」状態
・2011年7月15日 NHN Groupとして初の日本初の世界展開アプリに
・ 2011年9月末 100万ユーザー、女性7割。日本以外の国、中東、韓国、アメリカ、アジア、欧米圏でダウンロード数が急増している状態。
・2011年10月4日、3Gでも使用できる無料通話機能リリース、スタンプ機能もこの際実装。プラットフォーム化を明言。
・2011年10月14日、200万ダウンロード突破
・2011年10月17日、300万ダウンロードを達成した
・2011年10月19日、まさかのiPhone版のダウンロード停止
・2011年11月1日、iPhone版App Storeでの公開再開
・2011年11月8日、500万ダウンロードを達成(世界108か国に利用者)
・2011年1月1日、 NHN Group合併
・ 2012年1月17日、1500万ダウンロード
・2012年3月5日、2000万ダウンロード
・2012年3月7日、PC版とタブレット版がリリース
・2012年3月27日、2500万登録ユーザー突破(ダウンロードという表現から登録ユーザーという表現方法が変更されている。フィーチャーフォンも増加(全体の5%)しているため)。
・2012年4月18日、3000万ユーザー突破
・2012年4月26日、スタンプショップ開設出だし好調
・2012年4月13日、LINE CameraがAndroid版から公開開始
・2012年5月10日、LINE Cameraが500万ダウンロード突破
・2012年6月6日、世界4000万ユーザー突破(国内1800万人)
・2012年7月3日、プラットフォーム事業展開を発表「Hello, Friends in Tokyo 2012」(2012年7月3日更新)
【関連URL】
・急成長「LINE」の真実、一周年記念独占インタビュー【増田 @maskin】
http://techwave.jp/archives/51742831.html
・TechWave内「LINE」関連記事
http://techwave.jp/tag/line
・LINE(ライン)- グループコミュニケーションサービス
http://line.naver.jp
・App Store – NAVER LINE
http://itunes.apple.com/jp/app/line/id443904275?mt=8
・Android – NAVER LINE
https://market.android.com/details?id=jp.naver.line.android
NHN Japan全社総当たりでLINEの成功に挑んでいる。これは一つの会社の奮闘ではなく、日本IT業界が世界で本気で戦えるかどうかの試金石となるように思える。本日、カンファレンス会場からも速報体制でお伝えしたいと思う。
8才でプログラマ、12才で起業。18才でライター。道具としてIT/ネットを追求し、日米のIT/ネットをあれこれ見つつ、生み伝えることを生業として今ここに。1990年代はソフト/ハード開発&マーケティング→週刊アスキーなど多数のIT関連媒体で雑誌ライターとして疾走後、シリコンバレーで証券情報サービスベンチャーの起業に参画。帰国後、ネットエイジ等で複数のスタートアップに関与。関心空間、@cosme、ニフティやソニーなどのブログ&SNS国内展開に広く関与。坂本龍一氏などが参加するプロジェクトのブログ立ち上げなどを主導。 Rick Smolanの24hours in CyberSpaceの数少ない日本人被写体として現MITメディアラボ所長 伊藤穣一氏らと出演。TechWaveでは創出支援に注力。エレベーターピッチ絶賛受け付け中! (まずはAirTimeでどうぞ!)